平成1年度はクロ-ニングしたDNA断片(2.7k6)の一次構造を解析する予定であったが、このDNA断片はプラスミドベクタ-あるいはA13ファ-ジベクタ-のEcoRI切断箇所に挿入した場合は安定であるがHincIIまたはSmaI断片箇所に移したり、挿入方向を逆向きにするとDNAは、E.coli内で安定に複製せず欠失などがおこることが判った。また、2.7KbのDNA断片の一部欠失させサブクロ-ニングを行うと、DNAが不安定になることもあった。 現在のところ、その原因は不明であるが、2.7KbのDNA断片にはE.coliの生存に不適当なタンパク質、たとえば、膜タンパク質のようなものがコ-ドされている可能性も考えられる。 そこでDNAの一次構造の解析は、より小さなDNA断片として、サブクロ-ニングを行い、E.coliの生存に不適当なタンパク質を産生できないようにし、そのうえで塩基配列の決定を行っている。 これまでにDNAの約90%の塩基配列を決定している。そして、残りの約10%の部分の塩基配列の決定を進行中である。 また、トランスポゾンTr9しての挿入変異による発芽変異株を単離しトランスポゾンが挿入された部位周辺のDNAのクロ-ニングにも成功している。
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