研究課題/領域番号 |
01570239
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
岡部 昭延 香川医科大学, 医学部, 教授 (20093677)
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研究分担者 |
佐藤 忠文 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20032815)
南 純三朗 香川医科大学, 医学部, 講師 (40157566)
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キーワード | ウエルシュ菌 / フォスフォリパ-ゼC / アルファ毒素 / 遺伝子発現 / 遺伝子解析 |
研究概要 |
(1)α毒素遺伝子の塩基配列の決定とその解析.α毒素遺伝子の塩基配列から本毒素は398アミノ酸残基(うちN未端より28アミノ酸はシグナルペプチド)よりなり、分泌後の成熟蛋白の分子量は42,521であることが精製酵素のN未端解析との比較から明らかとなった。N末端部分に疎水領域が存在しこの部分が基質(レシチン)との結合に関与する領域と考えられる。(2)α毒素の遺伝子数と配列様式.同一のλgt10のDNAライブラリ-より得られるα毒素遺伝子のクロ-ンの出現頻度はθ毒素遺伝子クロ-ンの約10倍高いことから、α毒素遺伝子は染色体上に複数存在すると予測された。得られた60クロ-ンの制限酵素地図を比較したところ全て同一であった。また2種類の制限酵素処理染色体DNAと遺伝子内領域を用いたプロ-ブとのハイブリダイゼ-ションで1種類の断片しか得られなかった。以上のことから染色体上に1コピ-しか存在しないと考えられる。しかし複製開始領域に近いことまた組換えに関与する可能性のあるアルギニン・ボックス様配列が存在することから、複数である可能性は一部残されている。TypeAとTypeCとでは産生量が20倍異なるが、ハイブリダイゼ-ションの結果から両遺伝子は同一であると思われる。(3)毒素産生の調節機構について クロ-ニングされた遺伝子を用いての結果からZnは発現よりも蛋白の構造保持上重要であることが明らかとなった。プロモ-タ-の上流域0.6Kbの塩基配列とそのDeletion実験から、プロ-タ-の上流近旁にシスに抑制的に作用する特殊配列(アルギニン・ボックスとBent DNA)が存在することが明らかとなった。大腸菌においては前者は全く機能しておらず、後者が抑制的に働いていると考えられる。現在ウエルシュ菌内でのこれら特殊構造と遺伝子発現との関係について検討している。
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