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1990 年度 実績報告書

C型インフルエンザウイルス糖蛋白質のレセプタ-認識と破壊における活性発現部位

研究課題

研究課題/領域番号 01570250
研究機関山形大学

研究代表者

北目 文郎  山形大学, 医学部, 助教授 (40004676)

研究分担者 西村 秀一  山形大学, 医学部, 助手 (50172698)
キーワードC型インフルエンザウイルス / 赤血球擬集活性 / レセプタ-破壊活性 / セリンエステラ-ゼ / 単クロ-ン抗体 / 糖蛋白質
研究概要

C型インフルエンザウイルスにおけるレセプタ-認識能と破壊能の発現部位をHE糖蛋白質上に位置付けることを目的に,昨年度は両活性に異常を持つ9株の抗HE単クロ-ン抗体抵抗性変異株のHE遺伝子の塩基配列を決定し,変異部位を明らかにしたが,本年度はさらに7株を解析に加え,変異部位を決定すると共に,これらの変異株のレセプタ-との親和性を調べ,以下の成績を得た。
1.7種の変異株で認められた変異部位は,先の9株と同様いずれもHE1サブユニット上にのみ存在していた。
2.レセプタ-との親和性が親株に比べ,強くなっていた変異株U9/V3では,N端から245番目のGlu.がLys.へ置換していた。
3.レセプタ-親和性が親株より低下していた変異株(U9/V1,U1/V3とU2/V3,U1/V1,D37/V1)では,206(Ser.→Leu.),212(Lys.→Glu.),217(Phe.→Ser.),226(Thr.→Asn.)番目のアミノ酸置換がそれぞれ認められた。
4.親和性が親株より増強していたD37/V3では,226番目と266番目の2つのアミノ酸が変化していたが,226番目のアミノ酸置換(The.→Asn.)は親和性の低下につながる(D37/V1)と考えられるので,D37/V3における親和性の増強は,226番目の変化(Val.→Phe.)に基づくものと判断される。
前年度の研究成果と本年度の知見を併せ考察すると,N端から283番目のアミノ酸の変化(J14/V1とV4におけるAsp.→Asn.)がレセプタ-との親和性を最も強く変化させ,変異部位がN端方向へ移るにつれて親和性が弱くなり,186番目(J9/V2,V3におけるLys.→Arg.)と187番目(J9/V1におけるAsn.→Ile.)の変異がその効果が最も強くなるものと考えられる。
なお、レセプタ-認識能に変化を来していると考えられる組織培養細胞馴化株についても同様の解析を行っている。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 松寄 正實: "C型インフルエンザウイルスによる実験室内感染" 山形医学. 8. 41-51 (1990)

  • [文献書誌] Kazuhiko Takiguchi: "Influenza C virus infection in rats" Microbiology and Immunology. 34. 35-44 (1990)

  • [文献書誌] Hidekazu Nishimura: "Characterization of the cordーlike structures emerging from the surface of influenza C virusーinfected cells" Virology. 179. 179-188 (1990)

  • [文献書誌] Kanetsu Sugawara: "Antigenic characterization of the nucleoprotein(NP) and matrix(M) protein of influenza C viruses with monoclonal antibodies" Journal of General Virology. 72. 103-109 (1991)

  • [文献書誌] Yoriko Umetsu: "Selection of antigenic variants of influenza C Viruses by the host cell" Virology.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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