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1990 年度 実績報告書

リンフォカインと受容体の発現制御

研究課題

研究課題/領域番号 01570270
研究機関大阪大学

研究代表者

畠山 昌則  大阪大学細胞工学センター, 助手 (40189551)

研究分担者 南 康博  大阪大学細胞工学センター, 助手 (70229772)
キーワードILー2 / ILー2受容体β鎖 / 染色体マッピング / LTR挿入 / Tリンパ腫瘍 / シグナル伝達 / チロシンキナ-ゼ
研究概要

ヒトILー2受容体β鎖cDNAを用いて染色体遺伝子を単離し、その構造を明らかにした。ヒトβ鎖遺伝子は第22染色体長腕qー12ー13に位置し、24.3kbの染色体DNA上に9個のイントロンと10個のエクソンから構成され存在する。さらに第1エクソンの5′上流域の解析から、RNA転写開始部位の5′上流約850ベ-スにおよびDNA配列内にILー2受容体β鎖遺伝子の発現制御に関与するプロモ-タ/エンハンサ-活性が存在することを明らかにした。またヒトcDNAをプロ-ブとしてマウスILー2受容体β鎖cDNAの単離に成功した。cDNA解析から推定されるマウスβ鎖分子は539アミノ酸からなりアミノ酸レベルでのヒトβ鎖分子との相同性は59%であった。マウスILー2受容体β鎖cDNAを用いた解析から、ある種のTリンパ系腫瘍細胞株においてβ鎖遺伝子プロモ-タ-領域にレトロウィルスプロモ-タ-が挿入され、異常発現を惹起していることが明らかにされた。この結果はTリンパ系腫瘍発症/進展にILー2受容体の異常発現が何らかの役割を果たしている可能性を示唆するものと考えられる。
前年度に確立したILー3依存性細胞株におけるヒトILー2受容体β鎖cDNAの機能的発現系を用い、さらに詳細なβ鎖細胞内機能ドメインの解析を行い、細胞内富ロリン領域に存在する単一のロイシン残基を他のアミノ酸に置換するこにより増殖シグナル伝達能が完全に失われることを見い出した。さらに抗ILー2受容体β鎖抗体を用いた免疫沈降実験からβ鎖分子の細胞内ドメインにリンパ球特異的チロシンキナ-ゼp56^<eck>が物理的に会合している可能性を示す結果を得た。ILー2シグナル伝達におけるチロシンリン酸化の重要性が強く示唆される。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Kono,T.,et al: "Murine interleukin 2 receptor β chain:Dysregulated gene expression in lymphoma line ELー4 caused by a promoter insertion" Proc.Natl.Acad.USA. 87. 1806-1810 (1990)

  • [文献書誌] Shibuya,H.,et al: "The human interleukinー2 receptor βーchain gene:genomic organization,promoter analysis and chromosomal assignment." Nucleic Acids Res.18. 3697-3703 (1990)

  • [文献書誌] Harada,H.,et al: "Absence of the Type I IFN System in EC Cells:Transcriptional Activator (IRFー1) and Repressor(IRFー2) Genes Are Developmentally Regulated" Cell. 63. 303-312 (1990)

  • [文献書誌] Minamoto,S.,et al: "Characterization of the heterodimeric complex of human ILー2 receptor α・β chains reconstituted in a mouse fibroblast Cell line,L929^1." The Journal of Immunology. 145. 2177-2182 (1990)

  • [文献書誌] Hatakeyama,M.and Taniguchi,T.: "Handbook of Experimental Pharmacology,Vol.95/I;Peptide Growth Factors and Their Receptors I." SpringerーVerlag, 18 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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