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1990 年度 実績報告書

環境疫学からみた胆道癌の成因研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570286
研究機関新潟大学

研究代表者

山本 正治  新潟大学, 医学部, 教授 (40018693)

研究分担者 高木 修子  新潟大学, 医学部, 助手 (30134109)
渡辺 厳一  新潟大学, 名誉教授 (50018280)
キーワード胆道癌 / ヒト胆汁 / レック・アッセイ / 突然変異原性 / セレン
研究概要

胆道癌死亡率の高い新潟県と低い高知県で、環境疫学的特性を探る研究の一環として、両県で採取したヒト胆汁中のセレン濃度について分析を行った。新潟県では22例(すべて胆石症)と高知県では15例(13例の胆石症、2例の胆襄ポリ-プ)の合計37例である。新潟県の患者の性別と人数は、男性15例、女性7例である。高知県では男性9例、女性6例である。新潟県の男女を併せた平均年齢は56.8±10.95歳(平均値±標準偏差)、高知県で61.8±16.93歳であり、この間に差を認めなかった。胆襄内胆汁は、採取後ー20℃で保存した。胆汁中のセレンの分析は、ECDーガスクロマトグラフを用いて行った。なお使用したガラスカラムは2.6mmφ×2m、10%(Shimadzu GCー9A)OVー17(w/v)、60〜80メッシュのChromosorb Wである。カラム及び検出器の温度はそれぞれ230、270℃である。セレン標準液はSeO_2、1000ppm(Wako)を用いた。なおSeの検出限界は10ngである。
新潟県男性のセレン濃度は260±37.9ng/ml(平均値±標準偏差)、女性は288±36.6ng/ml、全体で269±39.0ng/mlであった。高知県ではそれぞれ314±99.9ng/ml、243±17.2ng/ml、285±84.4ng/mlであった。新潟と高知をあわせた場合、それぞれ280±71.2ng/ml、267±36.8ng/ml、276±61.0ng/mlであった。統計的有意差検定の結果、女性においてのみ、両県の差を認めた(p<0.05)。各県における男女間のセレン濃度の差は、いずれの県でも有意でなかった。今までに、癌死亡率とセレン濃度(土壌または血液中)との間音に負の相関があると報告されている。そこで胆道癌についても、死亡率の高い新潟県の胆汁中のセレン濃度は低いと予想される。しかしこの度の研究ではこの作業仮説を立証できなかった。女性では新潟県の方がむしろ高かった。しかし胆汁中セレン濃度を報告した研究はないので、今後この方面の研究の先駆けになるものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 陳 偉師 他: "Selenium Contents in Human Gallbladder Bile" Tohoku J.Exp.Med.161. 257-259 (1990)

  • [文献書誌] 渋谷 範夫 他: "CoーMutagenic Activity of Phenoxyherbicides MCPAーand MCPBーEthylesters in the Ames Assay" Tohoku J.Exp.Med.160. 167-168 (1990)

  • [文献書誌] 陳 偉師 他: "International Comparison of the Mortalities of Biliary Tract Cancer" J.Aichi Med.Univ.Assoc.18. 187-192 (1990)

  • [文献書誌] 山本 正治 他: "胆道癌 1)記述疫学" 胆肝膵. 22. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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