研究課題/領域番号 |
01570294
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
青山 公治 鹿児島大学, 医学部, 助手 (70117472)
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研究分担者 |
上田 厚 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (10040198)
松下 敏夫 鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)
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キーワード | 職業性感作物質 / 許容濃度 / 感作予知 / アレルギ- / TDI / TMA / 量・効果関係 |
研究概要 |
前年度に引続き、職業性感作物質を許容濃度表の別表として掲載すべくその素案作成の作業に作業については、学会への発表等の際の公的批評を参考にさらに感作物質の追加と文献的資料の補強作業を行い、最終的な許容濃度表の別表としての素案を作成し文献リストを併記のうえ、公表・提案の準備を終えた。 実験的研究については、前年度から継続している(1)TDIの吸入感作誘発における量・効果(反応)関係に関する実験と、さらに(2)TMAを用いて感作性物質の予知とその許容濃度設定の方法論の検証のための実験を実施した。(1)では、TDIを用いて、モルモットに対し吸入曝露による感作、誘発実験装置にて、感作濃度(free TDI)を3段階、誘発濃度(free TDI/TDIーGSA conjugate)を3段階として吸入実験(感作曝露条件:6時間/日・5日間)を行い、各々の量・反応関係をボディプレチスモグラムによる呼吸波形の解析、好塩基球脱顆粒試験にて検討した。その結果、感作処置時の濃度に依存した好塩基球の脱顆粒現象の上昇が認められ、TDIに対する特異的抗体産生における量・反応関係を示す成績を得た。また呼吸率の変動においても濃度依存性の反応が認められた。(2)では、諸外国の産業現場においては職業性喘息をはじめとする呼吸器障害を惹起する化学物質として知られるTMAを用いて、本実験法の予知法としてのまた許容濃度設定の方法論として妥当性を検討した。実験条件はTDIと同様である。その結果、好塩基球脱顆粒試験においてTMA感作の成立を示唆させる感作濃度に依存した成績を得た。しかし、呼吸波形の解析ではそのような成績は得られなかった。以上のごとく、今年度の研究によって、許容濃度設計定のための実験方法としての本実験モデルの有用性が示唆され、予知法としては、本実験モデルを基礎にさらにより簡便かつ鋭敏な感作成立を検出しうるスクリ-ニング法の必要性が指摘された。
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