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1991 年度 実績報告書

スチレンの生体内運命

研究課題

研究課題/領域番号 01570297
研究機関大阪市立大学

研究代表者

堀口 俊一  大阪市立大学, 医学部, 教授 (60046828)

研究分担者 福井 充  大阪市立大学, 医学部, 助手 (40173322)
脇谷 扶美子  大阪市立大学, 医学部, 助手 (00201872)
寺本 敬子  大阪市立大学, 医学部, 講師 (70047356)
キーワード有機溶剤 / スチレン / ラット / トキシコカイネティックス / 半減期 / 尿中代謝物 / フェニルグリオキシル酸 / マンデル酸
研究概要

今年度は投与されたスチレンの尿から排泄される各代謝物の比および投与量に対する全代謝物の割合を明らかにしようと試みた。Wistar系雄性ラット(350ー450g)を4群に分け、1群5ー10匹とし,各群についてスチレンの0.1,0.125,0.175,0.2mlを腹腔内に投与した。投与前,投与後72時間まで適時に採尿した。採尿時には尿量,尿比重を測定し,これらの尿中代謝物であるフェニルグリオキシル酸(PGA),マンデル酸(MA),馬尿酸(HA)を高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)にて同時測定した。さらにスチレン投与後の各尿中代謝物濃度と時間の関係から最小二乗法により指数関数にあてはめ、その式を用いて尿からのスチレンの各代謝物の排泄比総排泄量を求めた。さらに尿中代謝物の投与後のピ-クに達する時間および排泄の半減期の算出を試みた。その結果,投与後PGAのピ-クは7ー10時間、MAは8.5ー10.5時間で投与量が多くなるに従ってピ-クは遅れた。しかしHAはほぼ8時間となった。減衰は一次反応式に従い,その半減期はPGA約7時間、MA約9時間、HA約20時間であった。また排泄割合はPGA:MA:HA=5:1:3となり投与量に対する総代謝物量は60ー70%で,投与量が多くなるに従ってその割合は減少した。ピ-ク時間のずれおよび投与量に対する総代謝物量の変化からスチレン投与量が多量の場合は飽和状態になっていると推定された。また最終代謝物PGAは投与量にほぼ比例して増加したが、中間代謝物のMAは一定の傾向が認められなかった。従って尿中代謝物を用いて生体内スチレン量を推定する場合,生体内に存在するスチレン量にもよるがMAによるよりもPGAによる方が望ましいと考える。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 脇谷 扶美子,寺本 敬子,田中 英徳,福井 充,河合 俊夫,圓藤 吟史,堀口 俊一: "ラットにおけるスチレンの排泄(その2)尿中代謝物" 産業医学.

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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