研究概要 |
本研究は、マウスに抗原蛋白を吸入させ、その抗原特異的IgE抗体の産生が、窒素酸化物、オゾンや浮遊粒子状物質によって増強される可能性があるかどうか。あるとすれば、その量・影響関係を解明することを目的としている。またその際、気道過敏性や反応性の亢進の有無についても検討を加える。本年度は、上記の目的を達成するための基礎的研究にあてられた。 まずマウスに対して、ガラスネブライザ-による1%卵白アルブミン(OA)エアロゾルを経気道的に暴露できる吸入チャンバ-を作製した。そして、1%OAエアロゾルの粒径分布を調べた。ガラスネブライザ-による1%OAエアロゾルの粒径分布は、03〜0.5μm:56%、0.5〜1.0μm:28%、1.0〜2.0μm:17%であった。さらにマウスに対する比較的定量的吸入法(呼吸数モニタ-)装置は、現時点においても、改良中である。 OA特異的IgE抗体の測定として、従来のPCA法よりさらに定量的なEnzyme-linked immunsorbent assay(ELISA)法を確立中である。マイクロプレイトを用いて、抗原蛋白OAを吸差後、あらかじめOA+水酸化アルミニウムゲルにて免疫を行って得られたマウス血清の希釈系剤をつくり、それと4℃で一晩反応させた。しかる後にビオチン化抗マウスIgE抗体で反応後、ペルオキシタ-ゼ結合アビジンにて反応後、基質として、3,3',5,5'-tetramethylbenzidineを用いて発色後、450nmの吸光度、測定する。その結果、1000倍稀釈の血清にても測定の可能性がみられている。現在OAエアロゾル暴露濃度によるOA特異的IgE抗体について量・影響関係を解明中である。
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