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1989 年度 実績報告書

トリハロメタンの生体及び臓器毒性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570315
研究機関山口大学

研究代表者

芳原 達也  山口大学, 医学部, 教授 (10116501)

研究分担者 荻野 景規  山口大学, 医学部, 助手 (70204104)
小林 春男  山口大学, 医学部, 助手 (00127763)
キーワードトリハロメタン / トリクロロエチレン / 肝臓外代謝 / トリクロロエタノ-ル / トリクロロ酢酸 / 抱水クロラ-ル
研究概要

現在、地下水汚染等で社会的問題となっているトリハロメタン及びトリクロロエチレン、I,I,I-トリクロロエタン、テトラクロロエチレン等の有機塩素系溶剤の生体内毒性に関しては不明な点が多い。そこで、私達はこれらの溶剤の中でも特に一般的なトリクロロエチレンに的をしぼってその生体内動態について麻酔犬を使用して実験的に検討し以下の結論を得た。
1.トリクロロエチレン及びこの代謝産物である抱水クロラ-ル、遊離型トリクロロエタノ-ル、トリクロロ酢酸の肝臓以外の臓器での代謝割合を観察すると、体内に取り込まれたトリクロロエチレンの約25%が肝臓以外の臓器で代謝されることがわかった。また、代謝産物である抱水クロラ-ル、遊離型トリクロロエタノ-ル、トリクロロ酢酸の代謝では、抱水クロラ-ルから遊離型トリクロロエタノ-ルへの代謝は対照群と同等であったが、抱水クロラ-ルからトリクロロ酢酸へは、対照群の10〜20%、遊離型トリクロロエタノ-ルからトリクロロ酢酸へはごくわずかしか代謝されなかった。
2.トリクロロエチレン及びこの代謝産物である抱水クロラ-ル、遊離型トリクロロエタノ-ル、トリクロロ酢酸及び抱合型トリクロロエタノ-ルの胆のうからの吸収割合を観察すると、投与後2時間で、抱水クロラ-ル、遊離型トリクロロエタノ-ル、トリクロロエチレンは投与量の65〜70%、抱合型トリクロロエタノ-ル、トリクロロ酢酸は40〜50%が吸収された。その他、胆のうから吸収された抱合型トリクロロエタノ-ルは門脈から肝臓に送られた場合、直接静脈系に移行し、腎臓から排泄されることが解った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 芳原達也: "有機溶剤中毒" 現代医療. 21. 947-950 (1989)

  • [文献書誌] 芳原達也: "トリクロロエチレンの生体内動態" 病態生理. 9. 258-259 (1990)

  • [文献書誌] T.Hobara etal: "Intestinal absorption of conjugated trichloroethanol in the dogs" Toxicology.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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