研究課題/領域番号 |
01570318
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
守山 正樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10145229)
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研究分担者 |
岩田 孝吉 長崎大学, 医学部, 助手
早田 みどり 放射線影響研究所, 長崎病理疫学部, 室長
松原 伸一 長崎大学, 教育学部, 助教授 (30165857)
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キーワード | 保健指導 / 顔グラフ / 情報伝達 |
研究概要 |
保健指導の受け手・担い手間の情報伝達を活性化するために作成した顔グラフについて、有効性の評価を試みた。 [第一回目の評価] 29名の保健婦学生と31名の保健婦が評価に参加した。貧血と高血圧に関する検査結果を、数値と顔グラフの二つの方法で住民に返却する場面を想定し、返却票(数値用、顔グラフ用)を作成した。評価は、以下の各項目につき行なった。;1.異常の有無の判断、2.異常の程度の判断、3.正常さの判断、4.興味の誘発、5.親しみの誘発、の5項目である。結果は、-3(顔表示は数値表示に比較して、はるかに劣る)から+3(顔表示は数値表示に比較して、はるかに優れている)まで7段階評点で表わした。学生群では異常の程度の判断を除いた4項目で、保健婦群では5項目すべてで、評点の平均値は正の値を示した。 [第二回目の評価] 29名の学生中、23名は第一回目の評価の一ケ月後に、地域住民への保健指導場面で実際に顔グラフを使用した。使用直後に第一回目に準じて、二回目の評価を行なった。5つの評価項目のいずれでも、二回目の評点の平均値は一回目に比較して高値を示した。 [住民の反応] 上記の指導の対象となった43名の住民中20名は、それから5ヶ月後に町が実施した健康相談にも参加した。この20名に対して、同相談の終了時に、今後の健診結果の返却方法として、数値と顔グラフとどちらを希望するかを質問した。20名中4名(20%)は数値を、また10名(50%)は顔グラフを選択した。 [結語] 今後、顔グラフの親しみやすさに加え、数値表現の定量性も活かし、両者の併用のもとでさらに地域住民が受け入れやすい健康情報伝達の検討が必要である。
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