研究課題/領域番号 |
01570326
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
野崎 貞彦 日本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 教授 (40198586)
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研究分担者 |
照井 哲 日本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助手 (00188690)
三宅 健夫 日本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 助手 (30181994)
横山 英世 日本大学, 医学部・公衆衛生学教室, 講師 (90120584)
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キーワード | 循環器疾患 / 死因構造 / 複合死因 |
研究概要 |
『緒言』今年度は循環器疾患における死因構造の検討を行うため、約10万人程度の集団を定めて、当該集団における循環器疾患による死因状況の解析を死亡診断書を用いて複合死因の視点から解析を行った。 『方法』対象集団は運輸業を主体とする労働組合に加入している者で、1989年5月で112,731名であった。組合が連合して行っている共済保険の共済金支払いで請求書に添付された死亡診断書を用いて、複合死因の解析を行った。対象とした年度は昭和58-62年度の5年間で、その間に死亡して届出のあった死亡総数は1347件であった。死亡診断書に記載された外因死を除くすべての死因についてICD-9に準じてコ-デングした後、死因を原死因と記載死因に分けクロス集計表を作成し、その結果から死因相互の関連を検討し当該集団の循環器疾患死亡の特徴を考察した。 『結果』循環器疾患殊に心疾患死亡に合併する死因をみると、1.原死因(心疾患)対記載死因(糖尿病)のodds ratioは2.86(95%信頼区間:1.02-8.05)であった。2.原死因(心疾患)対記載死因(高血圧)のodds ratioは0.48(0.54-4.86)であった。3.原死因(脳血管疾患)対記載死因(高血圧)のodds ratioは28.30(10.27-77.98)であった。更に、当該集団では、30歳代〜40歳代の心疾患と糖尿病、心疾患と高血圧の組合せのodds ratioが50歳代より大きい傾向があり、相対的にこれらの疾病の合併が多い傾向があるものと思われ、疾病管理の重要性が示唆される。今後、悪性新生物等、他疾病の死因構造の解析を複合死因の視点から行う予定である。
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