SLEを中心とした膠原病患者血清中に認められる抗カルジオリピン抗体と胎児予後の関係につき、患者血清とSLEモデルマウス由来モノクロ-ナルを用いた研究から以下の点を明らかにした。 1)fetal lossを経験したSLE患者の60%にIgGクラス抗カルジオリビン抗体を認めた。しかし生産群では19%にしか認められなかった。 2)IgMクラスの抗カルジオリピン抗体は、生産群の38%、流産群の40%にみられ、両群間に有意差はなかった。また、LAは生産群の12%、流産群の33%に認められ、流産群に高い傾向があったが、有意差はなかった。 3)BFPーSTSは生産群の14%、流産群の10%に認められ、両群間に有意差はみられなかった。以上のことから、SLE患者のfetal lossを予知する因子としては、IgGクラスの抗カルジオピン抗体の測定がもっとも有用と考えられた。 4)SLEモデルマウス由来のモノクロ-ナル抗カルドオピリン抗体を妊娠マウスに投与すると高頻度に流産を誘発し、そのようなマウスの胎盤には梗塞像が認められた。
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