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1990 年度 実績報告書

慢性関節リウマチの関節内リンパ球異常におけるリウマトイド因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 01570354
研究機関東京大学

研究代表者

井上 哲文  東京大学, 医学部・物療内科, 講師 (30092141)

研究分担者 沢田 哲治  東京大学, 医学部・物療内科, 助手
広畑 俊成  東京大学, 医学部・物療内科, 助手 (90189895)
キーワード慢性関節リウマチ / インタ-ロイキン6 / リウマチ因子 / FCレセプタ- / 単球
研究概要

慢性関節リウマチのリンパ球異常のひとつとして多様な生理機能を有するサイトカインであるインタ-ロイキン6が患者関節液中に高濃度で存在することが知られている。我々はまずリウマチ因子とインタ-ロイキン6を関節液と血清でそれぞれ定量し、その関連を調べた。リウマチ因子については両者で一定の傾向はなかったが、インタ-ロイキン6は血清に比べ関節液でより高値であり、関節局所における産生の亢進が示唆された。また関節液中のリウマチ因子とインタ-ロイキン6との間に正の相関関係を認めた。
上記の事実をFCレセプタ-を介する刺激として理解するために、免疫複合体のモデルとしてプレ-トに固相化したIgGを設定し、これに付着法により得られる正常ヒト単球を作用させ培養液中に放出されるインタ-ロイキン6を定量したところ、固相化したIgGによりインタ-ロイキン6産生は促進されることを見出した。一方、固相化したF(ab)'_2によるインタ-ロイキン6産生亢進はほとんど認められなかったことから、免疫複合体による単球上のFCレセプタ-のクロスリンキングからもたらされる刺激が、インタ-ロイキン6を介して慢性関節リウマチにおけるリンパ球異常に関与している可能性が示唆されるに至った。
さらに、フロ-サイトメトリ-を用いた解析から、活動性の高い慢性関節リウマチ患者の単球においてはCD14抗原の発現が増強しているだけでなく、CD64の発現も増強していることが判明した。これは患者単球の質的異常、とくにFCrRI発現の異常を示唆する所見であり、病態を理解する上で重要なものと考えられた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hiroshi Oka,Shuusei Hirohata,Tetsufumi Inoue,Sachiko Iwamoto,Terumasa Miyamoto: "Quantitative determination of IgMーrheumatoid factor by euzyme immunoassay standardization using a serum from rheumatoid arthritis patient." CLINICA CHIMICA ACTA. 188. 147-160 (1990)

  • [文献書誌] Shuusei Hirohata,Tetsufumi Inoue,Terumasa Miyamoto: "T cell regulation of in vitro IgMーrheumatoid factor production by normal human B cells:Differenitial effects of stimulation with immobilized monoclonal antibodies to CD3 and staphylococcus aureus." Japanese Journal of Allergology. 39. 82-89 (1990)

  • [文献書誌] Shunsei Hirohata,Tetsufumi Inoue,Terumasa Miyamoto: "Frequency analysis of human peripheral blood B cells producing IgMーrheumatoid factor" J Immunology. 145. 1681-1686 (1990)

  • [文献書誌] Tetsuji Sawada,Shunsei Hirohata,Tetsufumi Inoue: "Correlation between rheumatoid factor and IL6 activity in synovial fluids from patients with rheumatoid arthritis." Clinical and Experimental Rheumatology.

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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