研究概要 |
続発性アミロイド-シスはRAの関節外症状のひとつとして、予後に関連する重要な合併症のひとつである。今回我々はアミロイド-シスを合併したRA患者の剖検腎を免疫原としてモノクロ-ナル抗体(MoAb)を作製したが、そのMoAbを用いてこれまでに報告をみないアミロイド関連蛋白を同定した。本抗原分子はSDS-PAGEおよびWestern blottingにおいて分子量45,000および42,000を示し、従来知られているAA蛋白(分子量:9,000)とは明らかに異なっていた。さらに、この新しい抗原は免疫組織学的にも、続発性アミロイド-シス患者より得られた10数種のアミロイド沈着臓器のアミロイド部位に一致して存在していた。最近この分子がRA患者血清中にも存在することが判明し、本MoAbを用いて精製に成功した。AA蛋白同様、続発性アミロイド-シスの新しいマ-カ-抗原となる可能性が期待され、現在遺伝子クロ-ニングを進めている。 さらに、興味あることに、本MoAbはアルツハイマ-患者脳の老人斑とも反応を示した。この点についてもさらに詳細な検討をしつつある。またアルツハイマ-脳に出現する老人斑の主要蛋白のひとつβ蛋白に対しても合成ペプチドに対してMoAbを作製したので、この抗体も駆使して新しいアミロイド関連蛋白との関係を追求している。
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