研究課題/領域番号 |
01570366
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浅野 泰 自治医科大学, 医学部, 教授 (00050500)
|
研究分担者 |
本間 寿美子 自治医科大学, 医学部, 助手 (70209336)
武藤 重明 自治医科大学, 医学部, 助手 (40190855)
武田 和司 自治医科大学, 医学部, 講師 (10102253)
田部井 薫 自治医科大学, 医学部, 講師 (90155234)
草野 英二 自治医科大学, 医学部, 講師 (50102249)
|
キーワード | 虚血性急性腎不全 / 細胞内pH / 細胞内カルシウム / 活性酸素 |
研究概要 |
1虚血時における細胞内カルシウム(〔Ca^<2+>〕i)とpH 本年度は昨年同様ラットの培養髄質内層集合管(IMCD)細胞を用いて、虚血時に細胞内CaやpHに影響を与える薬剤や状態が細胞の生存率に変化を与えるかどうかを検討した。細胞の生存率はPropidium iodideを用いて測定した。5mM NaCN+5mM2ーdeoxyーDーglucoseを添加すると培養液がpH7.4では添加後20分の細胞の生存率は39±11.3%、30分後では8±7.5%にまで低下する。これに対して0.1mMのVerapamilを含んだ培養液中では細胞の生存率はNaCN添加20分後、30分後ではそれぞれ59±12.5%、38±14.4%と有意に改善をみた。また培養液をpH6.5に低下させるとNaCN添加20分後、30分後の細胞生存率は同様に79±8.8%、48%、48±11.2%と有意に上昇した。従ってCa拮抗薬や細胞外のアシド-シスはラットの培養IMCD細胞が化学的虚血によって障害を受けることにたいして防御的に作用していると考えられる。 2活性酸素による細胞障害時の〔Ca^<2+>〕i、pH 虚血または薬剤性細胞障害時においては活性酸素も重要な役割を果たしている。本年度は活性酸素と〔Ca^<2+>〕i,pHとの関係をも検討した。tertーButy1 Hydroperoxide(tBHP)を上記と同様の培養細胞に添加すると、5分以内に〔Ca^<2+>〕iは上昇し、60分後細胞生存率は26.7%にまで低下した。培養液にEGTAやVerapamilを加えておくか、培養液をアシド-シス(pH6.6)にしておくとtBHPによる〔Ca^<2+>〕iの上昇は抑えられ、細胞生存率は著しく改善した(+GGTA:61.7±13.1%,+Verapamil::64.7-5.5%,pHo=6.6:66.2±15.7%,60分後)。従って活性酸素による細胞障害にも細胞内Caを介したメカニズムの関与が示唆された。
|