研究概要 |
1.ラット及び家兎の胃粘膜細胞培養に成功した。特に後者は新しいモデルであり,多量の細胞を得られる故,胃粘液細胞の研究には大きな貢献をしている。 2.これらの培養細胞を用いて,胃粘膜に対するNSAIDsなどの障害を^<51>Cr-assay法を用いて研究し,PGs等の保護作用をin-vitroで証明した。 3.胃粘膜障害のメカニズムの一つとして,フリ-ラディカルの作用が重要であり,この培養細胞におけるキサンチン-キサンチンオキシダ-ゼにより生ずるス-パ-オキサイドによる障害のメカニズムを検討した。この中でもハイドロキシラディカルがもっとも重要な役割をもつことが証明された。 4.胃粘膜障害のメカニズムの中で,グルタチオンも重要な役割を果たしている。グルタチオンに細胞保護作用のあることが確認された。 5.Znなどの微量金属も細胞保護作用がある。これはフリ-ラディカルスカベンジャ-としてのものである。これらの物質が,胃潰瘍,胃炎の治療薬として役に立ちうることを証明した。 6.プロスタグランディンが胃粘膜保護に重要な作用をすることは知られているが,内因性PGの産生統卸については知られていない。我々は細胞内情報伝達機構の面より,消化管ホルモン等がPGの産生をいかにコントロ-ルするかを検討した。 7.さらにウルソデオキシコ-ル酵などの胆汁酵とPGの関係を検討した。 8.培養肝細胞にても同様の研究を行った。
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