研究課題/領域番号 |
01570390
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
房本 英之 大阪大学, 医学部, 講師 (90124776)
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研究分担者 |
佐々木 裕 大阪大学, 医学部, 助手
笠原 彰紀 大阪大学, 医学部, 助手 (70214286)
林 紀夫 大阪大学, 医学部, 講師 (00144478)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | B型肝炎 / HBV / 分子生物学 |
研究概要 |
B型慢性肝炎患者において末梢血単核球(PBMC)のγーIFN産生能や、これに影響を与える因子を検討すると共に、T細胞の活性化と肝炎の病態との関連を検討し、B型肝炎発症の機構を明らかにすることを目的とした。B型慢性肝炎患者PBMCのγーIFN生産能は、HBe抗原添加によりHBc抗原陽性で肝炎の活動度の高い症例で増加傾向を示したのに対し、肝炎の活動度の低い症例ではHBe抗原陽性蔭性に拘らず変化は見られなかった。さらに肝炎の増悪寛解を繰り返す症例では、肝機能の経過と並行してHBe抗原に対するPBMCの反応性も変化していた。これに対し、HBc抗原添加ではいずれの症例に於いてもγーIFN産生能に変化は見られなかった。以上よりB型肝炎での肝炎発症にはHBc抗原に対する細胞性免疫が働いていることがわかった。また肝組織内浸潤リンパ球は、肝炎活動度の高い症例で低い症例に比べると活性化T細胞の占める割合が有意に高く、また肝細胞膜表面のHLA class I抗原発見も新らかに高頻度に認められた。これらの事より、肝炎発症例ではHBc抗原によりT細胞が活性化されてγーIFNが産生され、肝細胞でのHLA抗原の発見や細胞障害性T細胞の誘導などの細胞性免症賦活が起こることが示唆された。しかし、HBV感染肝細胞のモデルである細胞株でのウイルス増殖がγーIFNによる肝細胞膜表面でのHLA抗原誘導能を抑制することや、末梢単核球のγーIFN産生能が、HBe/HBc抗原を前処置することで抑制されることなどが明らかとなった。B型慢性肝炎患者ではウィルス抗原に対する細胞性免疫応答を抑制するいくつかの因子が存在する事が示唆された。以上より、B型慢性肝炎患者に於ける肝炎の発症はHBV抗原に対する細胞性免疫応答によるものと考えられ、これらの応答能が不完全なためウィルスの排除が十分行われず慢性化の原因になつていると考えられた。
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