研究分担者 |
仲島 信也 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50180287)
岡 博子 大阪市立大学, 医学部, 助手
塩見 進 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30170848)
関 守一 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50145778)
黒木 哲夫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30047328)
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研究概要 |
催胆汁うっ滞因子(CF)は活性化T細胞培養上清中に検出されるリンホカインであり、ラット腸間膜静脈に注入すると、胆汁排泄が著明に抑制される。このCFを産生する細胞の性質および既知のリンホカインとの異同について検討するため、ヒト末梢血リンパ球からCFを産生するT細胞のクロ-ン化を試み、それらの細胞の性状およびT細胞から産生されるリンホカインとの異同を調べた。(1)CFを産生するT-cell cloneの確立:ツ反陽性のヒト末梢血単核細胞を精製ツベルクリンで刺激し、得られた blast cells をクロ-ン化して、5種類のCFを産生するT-cellclones(2A5,2A7,2H5,6C9,7F9)を確立した。(2)CFを産生するT-cell cloneの表面マ-カ-:この5種類のCFを産生するT-cell cloneについてその表面マ-カ-をFacscanを用いて検討した。その結果、これらのT-cell cloneはすべて、CD2^+,CD3^+,CD4^+,CD8^-およびCD25^+であった。(3)CFを産生するT-cell cloneのリンホカイン産生能:この5種類のT-cell cloneを抗原提示細胞存在下でPPDで刺激すると、いずれの細胞もCFとともに、IL2およびr-インタ-フェロンを産生したが、IL4およびIL6は産生しなかった。(4)CFとIL1、IL2、IL4、IL6、TNFおよびr-インタ-フェロンとの異同:かなり大量の既知のサイトカイン(IL1、IL2、IL4、IL6、TNFおよびr-インタ-フェロン)をラット腸間膜静脈に注入して胆汁流量を測定しても胆汁排泄の抑制は認められず、CFはこれらの既知のサイトカインとは異なる新しいサイトカインであると考えられた。
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