研究課題/領域番号 |
01570408
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
溝口 靖紘 大阪市立大学, 医学部・助教究 (00094491)
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研究分担者 |
仲島 信也 大阪市立大学, 医学部, 助手 (50180287)
岡 博子 大阪市立大学, 医学部, 助手 (40169090)
塩見 進 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30170848)
関 守一 大阪市立大学, 医学部, 講師 (50145778)
黒木 哲夫 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30047328)
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キーワード | 急性肝内胆汁うつ滞 / サイトカイン / 催胆汁うつ滞因子 / ウルソデオキシコ-ル酸 / ジェニピン / パトリノシド / Caイオン |
研究概要 |
本年度は、Propionibacterium acnes 加熱死菌及びPPDを用いると肝内胆汁うつ滞モデルが作製できたので、本モデルを用いて臨床における肝内胆汁うつ滞に関与する催胆汁うつ滞因子の作用機序および治療、予防について検討した。その結果、(1)催胆汁うつ滞因子はbile acidーdependent及びーindependent bile flow,vesicular transport,毛細膽管の膜ミクロフィラメントに影響を及ぼすことが判明した。しかし、本因子はtight junctionには作用しなかった。また、催胆汁うつ滞因子に対するモノクロ-ナル抗体を用いて血清中の本因子及び肝組織内の分布を検討すると血清中の本因子は血清トランスアミナ-ゼに関係なく、血清ビリルビンより早期に出現し、血現し、血清ビリルビンより早期に消退した。一方、肝組織中の本因子は蛍光抗体法及び酵素抗体法を用いて検討すると、肝細胞内にびまん性に、一部顆粒状に認められた。(2)急性肝内胆汁うつ滞を作製する際に、種々の薬剤を同時あるいはあらかじめ投与しておき、肝内胆汁うつ滞誘導に対する影響を検討すると、ウルソデオキシコ-ル酸は催胆汁うつ滞因子の活性に対して拮抗的に作用した。また、催胆汁うつ滞因子投与前にウルソデオキシコ-ル酸を投与すると、肝内胆汁うつ滞が予防できた。さらに、イリドイド化合物の一つであるジェニピンおよびパトリノシドに利胆作用があることが判明したので臨床治療に入る確認ができた。さらに、本因子がCaイオンに関与することが判明したので細胞内Ca^<++>濃度に影響を及ぼす薬剤についても臨床応用する予定である。
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