研究概要 |
1.エック瘻犬における脳CCKと血液および髄液アンモニアとの関連:エック瘻犬では正常犬に比し,大脳皮質のCCKが1/3〜1/2 に減少し,血液アンモニアは約5倍,髄液アンモニアは約3倍に増加した。エック瘻犬と正常犬において,大脳皮質のCCKと血液および髄液のアンモニアとは有意の負の相関を示した。 2.エック瘻犬における脳CCKと脳グルタミン酸,グルタミンとの関連:エック瘻犬では大脳皮質のグルタミンとグルタミン酸の比(G1n1O/u比)の低値例(1.5以下)に脳CCKの減少が強い例が多く、脳CCKとGln 1Glu,比との間に正の相関傾向を認めた。このことからGluの量がGlnの量に比し相対的に多い場合に脳CCKがより減少することが考えられた。 3.LECラットにおける脳CCK:脳症を伴ったLECラット(劇症肝定モデルラット)は高アンモニア血症を伴い大脳皮質CCKは著明に減少した。このことは組織化学的にも確認された。 4.アンモニア負荷ラットの脳グルタミン酸,グルタミンに及ぼすMKー801 の影響:MKー801(グルタミン酸受容体拮抗剤)投与(0.8mg/kg体重の経口投与)後アンモニア負荷(酢酸アンモニウム10mmol1kg体重の腹腔内投与)群はアンモニアが単独負荷(アンモニア負荷量はMKー801投与後アンモニア負荷群と同様)群に比し,疫摩発生までの時間が有意に短縮し,脳グルタミン酸が増加し,脳グルタミンは減少した。
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