研究課題/領域番号 |
01570415
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
松尾 裕 日本大学, 医学部, 教授 (10010141)
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研究分担者 |
朝岡 昭 日本大学, 医学部, 助手 (90184134)
伊藤 和郎 日本大学, 医学部, 講師 (90102524)
岩崎 有良 日本大学, 医学部, 助教授 (90059808)
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キーワード | 腔腸動物 / 壁在神経叢 / neuropeptide / 小腸 |
研究概要 |
消化管の疾患の特徴は癌を始め、多くの疾患が食道、胃及び大腸に存在し、小腸における疾患は極めて稀なことである。その原因についてはほとんど研究されていない。したがって小腸を解剖学的、生理学的及び免疫学的に胃及び大腸と比較検討することは、小腸の特徴を知るとともに、胃及び大腸疾患の発生原因を明らかにする重要な研究である。そこで小腸における消化管ホルモンと壁在神経叢支配について特異性を明らかにし、一方、発生学的に中枢神経叢の存在しない腔腸動物の消化管ホルモンと壁在神経叢を検討し小腸機能調節の特異性を明らかにすることを目的とし、下記の如き成績を得た。 1.外来神経である迷走神経と内蔵神経を横隔膜下で切断しても小腸の消化吸収機能は変化を受けない。 2.外来神経である迷走神経を切断すると癌原性物質の吸収能は増加する。 3.壁在神経叢におけるneuropeptideは小腸に多く存在し、胃及び大腸には少ない。 4.壁在神経叢に存在するneuropeptideは、ソマトスタチン、Vasoactive intestinal peptide,Substance P,Gastrin releasing peptide及びNPYが主要なものであった。 5.腔腸動物(イソギンチャク)では体腔内基底部にSubstance Pをもつ細胞が集落を作って存在し、S-100蛋白含有神経細胞は体腔中部に散在性に存在することを明らかにした。 すなわち、腔腸動物では既に消化管ホルモンと神経細胞が存在し、消化吸収に関与していることを明らかにした。
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