サルコイド-シスの発症には何らかの免疫異常の関与が示唆されており、HLAをマ-カ-として、免疫遺伝学的側面を探る研究が広く行われている。一方でサルコイド-シス発症につながる未知の抗原に対する免疫応答において.どのようなTcell cloneが関与しているかも.重要な関心事と言える。昨年度までのHLAーDR.DQ遺伝子の解析に引き続き.Tcell receptor遺伝子をRFLP法を用いて解析した。 この実験においては2種類の細胞〜DNAを用いた。すなわち 1)サルコイド-ンス患者未梢血リンパ球より抽出したDNA.これにおいてはTcell receptor遺伝子のrearrengenentの起こったリンパ球が混在している。 2)サルコイド-シス患者のBリンパ球にEBウイルスをtransformして得られたcell lineより抽出したDNA.こちらではTcell receptor遺伝子はgerm lineの形で保持されている。 の2種類である。これらのDNAを6種類の制限酵素で処理.プロ-ブとしてはTcell Vregionのα鎖、β鎖cDNAを用いた。 これまでの結果としてはサルコイド-シス患者に特異的なrearrengementは認められず、またRFLPで得られるフラグメントの頻度についても健常者と患者間で有意の差を認めていない。サルコイド-シス発症に関わる抗原はheterogenousである可能性が示唆される。今後はγ鎖、δ鎖についても検討していく予定である。
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