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1990 年度 実績報告書

気道上及由来の平滑筋弛緩因子ーその気道過敏性発現における役割ー

研究課題

研究課題/領域番号 01570419
研究機関北海道大学

研究代表者

棟方 充  北海道大学, 医学部, 助手 (00209991)

研究分担者 本間 行彦  北海道大学, 医学部, 教授 (30001902)
キーワード気道 / 上皮 / 弛緩因子 / 気道過敏性 / モルモット
研究概要

気道上皮細胞が平滑筋弛緩物質(Epithelium Derived Relaxing Factor;EpDRF)を産生・分泌することにより、各種気道刺激に際して過度の平滑筋反応を抑制している可能性が指摘されていた。昨年度はIlhan&Sahinらのcoーaxial bioassay systemを用いて、acetylcholine刺激により健常モルモット気道上皮から血管平滑筋弛緩物質が分泌されることを確認した。しかし本法に対して"平滑筋の弛緩は取り囲む気管の収縮による内径の減少に伴うhypoxiaによるもの"との反論がなされた。このため本年度は更に、1.EpDRFの存在証明、2.EpDRFの本体についての検討を続けた。
1.EpDRFの存在証明
上記のcoーaxial bioassay systemに対する批判が妥当か否かを検討するため、気管内腔に鋼鉄性コイルを挿入し気管径減少を妨げたsystemを作製した。このsystemにおいても上皮依存性の平滑筋弛緩を認め、この弛緩がhypoxiaによるものではないことも証明した。また、acetylcholineによるEpDRF分泌が気道上皮のmuscalinic受容体のどの亜型の刺激によるかを検討し、M3ー受容体刺激によることを確認した。
2.EpDRFの本体についての検討
上述のsystemを用いてEpDRFの性質を検討した結果、その生物学的活性は非常に短時間で失われ不安定な物質であることが判明した。このため、血管内皮由来の平滑筋弛緩因子(EDRF)の本体であるnitric oxide(NO)との類似性が示唆され、EpDRFがNOか否かの検討を行った。その結果、NO自体は気道平滑筋弛緩効果を持ち、薬理学的にEpDRFとNOに類似性はあるものの、EpDRFの効果がNOに特異的な拮抗薬により抑制されないため、この二者は異なるものであるとの結論を得た。また我々のsoluble guanylate cyclase抑制剤であるmethylene blueに抑制効果が無いとの結果と、HayらのEpDRFによる平滑筋弛緩時には平滑筋内cーGMPの上昇が認められるとの報告から、EpDRFは内因性particulate guanylate cyclase activatorであろうと推測するに至った。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 棟方 充: "気道過敏性と気道上皮機能" 呼吸と循環. 37. 499-503 (1989)

  • [文献書誌] 棟方 充: "気道上皮細胞の機能ー気道過敏性との関りからー" 呼吸と循環. 37. 590-601 (1989)

  • [文献書誌] 棟方 充: "気道過敏性と気道上皮機能" 医学のあゆみ. 148. 796-796 (1989)

  • [文献書誌] 棟方 充: "気道粘膜" 喘息. 117-124 (1990)

  • [文献書誌] Munakata,M: "Pharmecological differentiation of epitheliumーderned relaring faefor from mtrc oxide." J.Appl.Physiol.69. 655-670 (1990)

  • [文献書誌] 棟方 充: "気道上皮機能" 医学のあゆみ. (1991)

  • [文献書誌] Munakata,M.: "The airway epithelium structure and function in heaeth and disease" Marcel Dekkcr / New York., (1991)

  • [文献書誌] Munakata,M.: "Advance in Asthmology 1990" Excepta Med., (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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