研究課題/領域番号 |
01570431
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿部 正義 九州大学, 医学部, 助手 (80131803)
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研究分担者 |
鳥巣 要道 九州大学, 医学部, 講師 (90038810)
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キーワード | ARDSモデル / ラット敗血症肺 / 肺胞マクロファ-ジ / SRS-A / ロイコトリエンB_4 / エンドトキシン / ス-パ-オキサイド |
研究概要 |
ARDSモデルとして作製した敗血症ラットの気管支・肺胞洗絛液(BALF)中の蛋白量は敗血症の進展と伴に増加し、また血管透過性亢進作用のあるSRS-A(immuno-reactive LTC_4量として測定)も正常ラットに比しBALF中で増量していた。従ってラット敗血症肺では肺胞腔内への蛋白の漏出があり、SRS-Aが一部関与していることが示唆される。 一方敗血症ラットのBALF中のマクロファ-ジ(ALVMφ)はカルシウムイオノフォア並びにオプソニン化ザイモザンでの刺激により産生されるLTB_4量が正常ラットからのALVMφに比し顕著に減少することがわかった。しかしながら、刺激により産生されるLTC_4量には減少は認められなかった。また血中並びにBALF中のエンドトキシン濃度の増加と伴に敗血症ラットのALVMφのス-パ-オキサイド産生能は有意に増大した。これらの事実より敗血症ラットのALVMφは主に内因性エンドトキシンにより活性化され、活性酸素種の産生亢進、SRS-Aの産生・遊離により催炎細胞として機能していることが示唆される。更に強力な白血球走化性因子であるLTB_4の産生能が著減していることはARDS患者での易感染性を説明する病態の一つと考えられ興味深い実験結果であると思われる。 今後、エンドトキシンを外部から与えることによりALVMφに同様の変化が再現できるか否か、またステロイドホルモン前処置により敗血症ラットのALVMφの機能がどの様に変化するかの検討を行う予定である。
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