研究課題/領域番号 |
01570431
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
阿部 正義 九州大学, 医学部, 助手 (80131803)
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研究分担者 |
鳥巣 要道 九州大学, 医学部, 講師 (90038810)
TAKAHASHI Hiroko Kyushu University, Medicine, Resident
GOUYA Tomomochi Kyushu University, Medicine, Resident
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | ARDSモデル / ラット敗血症肺 / ロイコトリエンC_4 / ロイコトリエンB_4 / マクロファ-ジ / エンドトキシン / ス-パ-オキサイド / 補体 |
研究概要 |
ラット敗血症肺モデルを用いARDSの病態の解明を試み以下の知見を得た。血中並びに肺胞洗條液中(BALF)のエンドトキシン濃度の上昇と伴に肺血管透過性の亢進を認めた。更に、継時的に肺胞マクロファ-ジ(AMφ)を採取し機能を調べると、付着能及びO^ー_2産生能の増加を認めエンドトキシンによりAMφが活性化されていると考えられた。またAMφからBALF中へβーグルクローダ-ゼの放出が認められた。一方、常在型AMφに比し敗血症型AMφからのLTB_4産生は低下していたが、BALF中のLTC_4濃度は増加していた。これらの事実よりAMφは種々のケミカルメディエ-タ-を放出することによりARDSの発症・進展に関与することがわかった。また常在型Mφは刺激によりLTB_4を主に産生し炎症のinitiatorとして働いているが、浸出型Mφは血管作働性のLTC_4の産生に代謝が傾き、炎症の持続に働いていることが示唆される。 ARDS並びにその準備状態にある患者での補体活性化を共通系路産物である血漿中のSC_<56ー9>を中心に臨床的検討を行った。SC_<56ー9>高値の患者では予後不良、低値の患者では予後良好な傾向を示した。しかしながらSC_<56ー9>が低値でもSーprotein(ビトロネクチン)が低値の患者では予後不良であり、肝臓における蛋白合成そのものの低下により補体活性化産物の減少がみられると考えられた。 今後エンドトキシンによる補体活性化とそれに引続く肺胞マクロファ-ジのアラキドン酸代謝の変化がどの様に機能しているかの分子レベルでの解明と伴に、臨床的にも混乱がみられるARDSの基本的病態の解明、更には生化学的マ-カ-の検索等を進めて行きたい。
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