研究課題/領域番号 |
01570432
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相澤 久道 九州大学, 医学部, 助手 (90175711)
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研究分担者 |
伊東 祐之 九州大学, 医学部, 助教授 (80037506)
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キーワード | ヒスタミン / 迷走神経 / ヘキサメソニウム / アトロピン / テトロドトキシン / ブラディキニン / 気道攣縮 / モルモット |
研究概要 |
迷走神経反射は気管支喘息の発症に重要な役割を担っていると報告されてきた。しかしながら、迷走神経遮断の気道攣縮に対する効果についての報告は一致していない。そこで今回我々は、モルモットのin vivoの系を用いて、ヒスタミンによる気道攣縮反応における迷走神経の関与を以下の3点について検討した。(1)いわゆる“迷走神経反射"の役割(2)気道局所での迷走神経末梢の役割(3)ヒスタミンの迷走神経末梢における作用部位である。陽圧換気下のモルモットを用い、ヒスタミン(8μg/kg)静注による気道攣縮を肺抵抗(R_L)の変化を指標として、以下の条件で比較した。1)両側頸部迷走神経切断前後(5例)、2)プロプラノロ-ル(1mg/kg、iv)投与+迷走神経切断前後(5例)、3)ヘキサメソニウム(2mg/kg、iv)投与前後(5例)、4)テトロドトキシン(0.5mg/kg、iv)投与前後(5例)、これらの測定終了後、5)アトロピン(1mg/kg、iv)の効果を観察した。6)また、ブラディキニンによる収縮に対するアトロピンの効果も測定した。その結果、(1)迷走神経切断やヘキサメソニウムにより、ヒスタミンによる気道攣縮反応は有意に増強した。これは、気道収縮性に働く“迷走神経反射"より、抑制性に働く非アドレナリン作動性抑制神経の作用が大きいためと考えられた。(2)また、迷走神経遮断やヘキサメソニウム投与後にも、アトロピンは気道攣縮反応を有意に減弱した。これより、いわゆる“迷走神経反射"を介さず、末梢の迷走神経のみでもヒスタミン刺激に反応しアセチルコリンを放出することにより気道攣縮を増強していると考えられた。(3)ヒスタミン作用部位としては、テトロドトキシンは収縮を増強し、テトロドトキシン投与後にもアトロピンが収縮を抑制したことより、ヒスタミンが迷走神経末梢に直接作用し、アセチルコリンを放出させている可能性が最も考えられた。
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