研究概要 |
平成3年度はヒト〓帯静脈内皮細胞(HUVEC)を用い実験した。 1.ヒト未梢血より単球を分離し,単球を24時間培養後,そのPostーculture mediumを採取した(MoーCM)。MoーCMにてHUVECを24時間培養後HUVECをトロンビン刺激すると,LPSやILー1aやTNFなどのサイトカインを含む培養液で培養した場合よりも,はるかに多量のPGI_2がHUVECから産生されることを確認した。(前年度報告済) 2.単球のpostculture medium(MoーCM)によるHUVECのPGI_2産生刺激はtimeーdependentであることを前年度報告したが,MoーCM中のサイトカインを定量すると,単球のin cubation timeが長い程,そのpost culture medium中の1Lー1βの産生が多いことが確認された。 3.単球を24時間培養して作成したMoーCMにTNFaや1Lー1aなどの抗体を過剰にMoーCMに加え,HUVECを培養した。その後のトロンビン刺激によるPGI_2産生は抑制されるが,1LーIやTNFを含む培養液でHUVECを培養した場合無処置のHUVECのPGI_2産生よりもかなり多量のPGI_2が依然として産生されていた。すなわち単球より1LーIやTNFなどのさまざまなサイトカインが放出され、それによりHUVECのPGI_2産生を刺激していると考えられるが、従来考えられている1LーIやTNF以外のサイトカインもHUVECのPGI_2産生に大きく寄与している可能性がある. 4.MoーCMでHUVECを培養する際,その後のHUVEC培養液中の1Lー1濃度に大きな変化はなかった.すなわち1LーIによるHUVECの1Lー1産生促進効果は明らかではなかった。 5.今後更に1Lー1やTNF以外にMoーCM中に含まれるPGI_2産生促進効果を有するサイトカインを明らかにする必要がある.
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