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1989 年度 実績報告書

アルツハイマ-病(ダウン症候群を含む)に関する遺伝子解析の研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570444
研究機関新潟大学

研究代表者

桑野 良三  新潟大学, 脳研究所, 助手 (20111734)

研究分担者 崎村 建司  新潟大学, 脳研究所, 助手 (40162325)
高橋 康夫  新潟大学, 脳研究所, 名誉教授 (00018590)
キーワードアルツハイマ-病 / ダウン症候群 / S100蛋白 / cDNA / 21番染色体
研究概要

アルツハイマ-病およびダウン症候群の病因を知るために、21番染色体に遺伝子座のあるS100蛋白に着目して研究を行った。S100蛋白はアストログリアに特異的に存在するCa結合蛋白であり、α鎖β鎖の異なる組合せで、a_o(αα)、a(αβ)、b(ββ)の二量体として存在する。また神経突起の伸張作用を有すると考えられている。21番染色体のトリソミ-であるダウン症候群において、S100β鎖が蛋白レベルで正常脳と比較して高いことが知られている。上記の疾患においてこの増加したS100蛋白の細胞内でのCaを介した生理機能と細胞外からの神経突起伸張作用の分子機構を解析するのに、まずヒト脳由来のS100α鎖β鎖のcDNAクロ-ニングを試みた。
ヒト剖儉脳よりRNAを調製し、Gubler and Hoffman法で合成したcDNAをλgt10に挿入し、cDNAライブラリ-を作製した。ラットS100βおよびウシS100αcDNAをプロ-ブとしてスクリ-ニングし得られた陽性クロ-ンについて制限酵素地図と塩基配列を決定した。S100βcDNAは全長787bpで276bpの翻訳領域57bpの5'非翻訳領域、polyAを43bp含む3'非翻訳領域からなっていた。S100αcDNAは全長579bpで282bpの翻訳領域99bpの5'非翻訳領域、polyAを除いて3'非翻訳領域198bpからなっていた。
ノ-ザン分析の結果ラット、マウス、ウシのS100βmRNAは約1600bであるのに対してヒトでは約800bの長さで、これは3'非翻訳領域が短いためであった。S100αについてはこれらの種間でmRNAのサイズに差がなかった。また、S100α、β夫々のmRNAと特異的にハイブリするcDNA断片は、アルツハイマ-病あるいはダウン症候群とS100蛋白遺伝子の関連を追求する上で、in situハイブリダイゼ-ション等今後の研究に有用と思える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Takahshi,R.Kuwano,H.Usui,K.Araki,M.Hasegawa and Y.Suzuki: "Expression of Cholecysrokinin Gene in the Neuron and Paraneuron" Arch.Histol.Cytol. 52. 63-68 (1989)

  • [文献書誌] 森井研,桑野良三,高橋康夫: "ヒトS100蛋白βサブユニットのcDNAクロ-ニング" 神経化学. 28. 132-133 (1989)

  • [文献書誌] 桑野良三,崎村建司、高橋康夫: "神経特異的蛋白遺伝子の発現調節" 代謝.

  • [文献書誌] Y.Takahashi,T.Yamakuni,R.Kuwano,T.Kumanishi and E.Ohama: "Ca Protein Signaling" H.Hidaka他, 257-262 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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