研究概要 |
Oligodendrocyteーtypeー2 astrocyte(Oー2A)progenitor cellの分化に関与する因子について検討を加えるため培養系を用い、dibutyryl cyclic AMP(dbcAMP),ganglioside及びPDGFの阻害剤であるtrapidilのOー2A progenitor cellに対する作用を調べた。新生ラット大脳細胞を単層培養し、5ー7日目に _<1m>M dbc AMP,10ー500μg/ml mixed bovine ganglioside,10ー800μg/ml trapidilを加え、3ー7日間培養した。dbc AMPはoligodendrocyteの数を有意に上昇させたがOー2A progenitor cell(A2B5陽性)の数を減少させた。100μg/ml gangliosideも同様の作用を軽度に示したが、500μg/mlでは細胞障害性を示した。両者ともOー2A progenitor cellのoligodendrocyteへの分化を促進することが推定された。100μg/ml trapidil投与群ではoligodendrocyteの数が減少した。また同群ではfibrous astrocyteが多数を占めたが、この意義についてはさらに検討を要する。 成熟牛大脳白質由来の分離、培養細胞中にOー2A progenitor cellが0.1〜0.4%の低率で存在した。mixed ganglioside,trapidilは高濃度で牛成熟oligodendrocyteの突起伸展を抑制した。 成熟牛oligodendrocyteのshiverer mutant mouse脳内への移植実験は、現在検討中である。また成熟ラット,牛由来の培養oligodendrocyteのPDGF receptorとPDGFの作用についても検討を始めている。
|