研究概要 |
(1)培養中oligodendrocyte(oligo)の生化学的基礎を検討するため、ライソゾ-ム水解酵素活性を測定した。培養細胞密度を上昇させると、αーfucosidase、αーmannosidase、βーglucosidase活性が上昇した。培養4日目の酵素活性は全般に低く6ー8日目で活性が上昇した。(2)microfluorocytometryを使い、oligoに結合するgalacfocerebroside(GalC)、myelin basic protein(MBP)に対する抗体量をmonolayer cultureで測定することによりcyclic AMP analogがGalc、MBPを上昇させ、adeuylate cyclaseを活性化するforskolinも同様にoligoのMBPを上昇させることを報告した。cyclic AMP analogがoligoのnuyelin合成能を高めることによりoligoの再髄鞘化の機能を高める可能性があることが推定された。(3)Oligodendrocyteーtypeー2(Oー2A)progenitor cellの分化に関与する因子について検討を加えるため培養系を用い,dibutyiyl cyclic AMP(dbcAMP),ganglioside及びPDGFの阻害剤であるtrapidilのOー2A progenitor cellに対する作用を調べた。新生ラット大脳細胞を単層培養し、5ー7日目に1mM dbcAMP,10ー500μg/ml mixed bovine gangliosicle,10ー800μg/ml tropidilを加え、3ー7日目間培養した。dbcAMPはoligoの数を有意に上昇させたが、Oー2A progenitor cell(A2B5陽性)の数を減少させた。100μg/ml gangliosicleも同様の作用を軽度に示したが、500μg/mlでは細胞障害性を示した。両者ともOー2A progenitor cellのoligoへの分化を促進することが推定された。100μg/ml trapidilは oligoの数を減少させた。またtrapidil投与群ではfibroues astrocyteが多数を占めた。(4)成熟中大脳白質由来の分離,培養細胞中にOー2A prognitor cellが0.1ー0.4%の低率で存在した。mixed gangliosicle,trapidilは高濃度で中成熟oligoの突起仲展の抑制を示した。(5)成熟中oligoのsbivevev mutant movoe脳内への移植実験は現在検討中であり、oligoのPDGF receptorに関する検討も始めている。
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