研究概要 |
Methamphetamine(Metham)投与の効果のより強力な効果を得るためC57blackマウスに5mg/kg Metham腹腔内投与を2時間毎4回投与を行った。 この結果、線条体チロシン水酸化酵素(TH)活性は、投与72時間後において対照1591±97.4に対しMeth330.5±44.3nmol/g/hと約20%に低下した。この機序に関与する酸化的ストレスの役割をあきらかにする目的で、demethyl sulfoxide(DMSO)50μl/bodyまたはglutathionの脳移行を良くするために誘導体化した薬剤YMー737 100mg/kg×4時間毎2回の腹腔内投与による防止効果をTH活性の低下防止を指標に観察した。ちなみにDMSOは水酸ラジカル(OH^・)のYMー737はO_2^ーの消去剤として知られている。この結果DMSO投与下ではTH活性678.4±161.0、YMー737投与下では332.7±155.3nmol/g/hで、Metham投与によるTH活性の低下がDMSOにより抑制され、YMー737 100mg/kg投与では抑制されないことがあきらかとなった。 この効果よりMetham投与によるTH活性低下の機序にOH^・の関与が示唆されたためOH^・を定量化する目的でサリチル酸の同時投与を行い、サリチル酸とOH^・の反応生成物2,3ーdihydroxybenzoate(2,3ーDHBA)および2,5ーDHBAの定量を試みた。この結果Metham投与によってDHBAことに2,5ーDHBAが顕著に上昇し、DMSO投与下ではこの上昇が阻止される傾向がみられた。したがって、Metham投与下における線条体TH活性の低下とOH^・発生にかかわる部分があることがあきらかになった。
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