研究概要 |
筋妥縮性側索硬化症(ALS)3例および下位運動ニュ-ロン疾患(LMND)1例の腰髄前角を用いて,axonal initial segmentの遠位部の直径,aron h,110ckからintiol segmentの遠位部までの距離(AH+2S)および前角細胞体の面積を測定し,対照11例と比較した。トルイジンブル-染等を施したPlastic section(連続切片)を用いて先顕で観察するとともに,超薄切片を作成して電顕で観察した。運動ニュ-ロン疾患(MND)では,神経細胞体から直接突出する軸索が統計214本認められた。近位部軸写の約19%(ALSでは155本中24本,LMNDでは59本中17本)で腫大が認められ,腫大の大部分は有髄部軸索のfirct intermodeからinitial segmitntの中間部に及んでいた。胞体と連続する近位部軸索の腫大は,電顕上主に10nnのmeurotil ament(N下)から成っていた。ALSおよびLMNDでは,initial segmentの遠位部の直径は対照に比較して両者とも有意に太かった(P<0.0001).さらに,ALS病例では正常と思われるinitial segmentの直径も対照側と比較して太かった(P<0.0001)。一方,正常で思われる軸索および腫大した軸索と連続する胞体,axon hillockおよび樹状交胞には変化がみられなかった。以上の所見から,N下の異索蓄積から成るaxomal initial segmentの直径の増大は,MNDにおける初期変化であり,同疾患では,N下のSlow axonal transportか病初期から障害されていることが示唆された。(J Neurol Sci in press)
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