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1991 年度 実績報告書

脱髄性神経疾患の発症機序に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570460
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

錫村 明生  藤田保健衛生大学, 医学部・神経内科, 講師 (50196896)

研究分担者 澤田 誠  藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所・応用細胞学研究部門, 助手 (10187297)
山本 ひろ子  藤田保健衛生大学, 医学部・神経内科, 教授 (20148258)
キーワードグリア細胞 / ミクログリア / アストロサイト / オリゴデンドロサイト / サイトカイン / 脱髄 / レトロウイルス / tax遺伝子
研究概要

1.グリア細胞の産生する液性因子の検索とそれらによる細胞間相互作用の検討:ミクログリアとアストロサイトはともにILー1,ILー6,TNFαを産生するが,これらサイトカイン産生はミクログリアの方が迅速に反応する.さらにTNFα刺激でアストロサイトのILー6産生のみが誘導された.このことは炎症・脱髄の病態下でミクログリアの反応の方が早いことを考え合わせると,まずミクログリアが活性化され,サイトカイン産生がおこり,これがparacrineにアストロサイトを活性化する可能性を示唆している.ミクログリアの培養上清にはこれらのサイトカインとは異るアストロサイト増殖促進因子が存在することも判明し,さらに,アストロサイトの産生するTGFーβはミクログリアのサイトカイン産生を含めた活性化を抑制することも明らかになった。その他,アストロサイトの培養上清中には,血管内皮細胞のtightーjunction形成を促進する因子があることも判明した。現在これらの因子につき精製を含め,詳細を検討中であるが,種々の液性因子によりグリア系細胞間の機能調節が行なわれていることが示された.
2.ウイルス感染によるグリア細胞の変化:昨年報告したごとく,レトロウイルスHTLVー1のtax遺伝子をグリア細胞に発現させるとMHC classI抗原が誘導されるが,同遺伝子の発現によりILー6,TGFβ等のサイトカイン産生がおこることが判明した.この際TNFαの産生はおこらず,これは他のマウスレトロウイルスであるLPBMー5のアストロサイトへの感染実験でも同じ現象が示された.これらはウイルス感染の際のサイトカイン誘導の機序は,他の機序とは異なる可能性を示しており現在検討中である.また,taxの誘導および,これによるMHC抗原の誘導によりオリゴデンドロサイトの障害がおこるか否かについても,tax transgenicマウスよりのグリア細胞培養を用いて検討中である.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Suzumura,A.et.al.: "Morphological transformation of microglia in vitro." Brain Research. 545. 301-306 (1991)

  • [文献書誌] Suzumura,A.et al: "Effects of microplia-derived cytokines on astrocytic gliosis."

  • [文献書誌] Sawada,M.et al: "TNFα induces IL-6 production by astrocytes but not by microglia."

  • [文献書誌] Sawada,M.et al: "Astrocyte proliferation controlled by γ-subspecies of protein kinase C and prostaglandin E_2"

  • [文献書誌] 今村 一博ら: "培養ミクログリアの免疫組織学的検討ー機能変化にもとずく染色性の変化についてー" 臨床神経学. 31. 127-134 (1991)

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公開日: 1993-03-16   更新日: 2016-04-21  

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