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1989 年度 実績報告書

流れの条件下で培養した血管内皮細胞の配向と物質透過性に対する細胞骨格の役割

研究課題

研究課題/領域番号 01570464
研究機関筑波大学

研究代表者

佐藤 正明  筑波大学, 基礎医学系, 講師 (30111371)

研究分担者 大島 宣雄  筑波大学, 基礎医学系, 教授 (50015971)
キーワード培養内皮細胞 / せん断応力 / 物質透過性 / 細胞骨格 / マイクロフィラメント / 力学的性質 / 血小板血栓 / 光-色素反応
研究概要

ブタ大動脈から採取した内皮細胞を継代培養して以下の実験に使用した。実験装置としては円錐平板型あるいはチャンバ型のものを用い、培養内皮細胞にせん断応力を負荷した。
1.せん断応力の負荷によって培養内皮細胞の形状と配向が変化するが、そのときの細胞骨格特にマイクロフィラメント(MF)の形態変化に注目した。その結果、20dyne/cm^2のせん断応力に反応してMFは1時間以内に既に配向を変えているこが明らかとなった。このとき、細胞自体の形状及び配向性は有意の変化を示していなかった。細胞形状の変化と関連して、培養する細胞の基質を変えると細胞の形状が極端に変化することを新たに見いだした。その詳細な機構については現在検討中である。
2.培養内皮細胞の力学的性質にはたす細胞骨格の役割をマイクロピペット法を使った粘弾性試験によって検討した。その結果、MFの粘性及び弾性特性が細胞全体の力学的性質に強く影響を及ぼしていることが明らかとなった。せん断応力をうけた培養内皮細胞の粘弾性特性の実験についても同様に検討中である。
3.せん断応力を負荷しながら培養内皮細胞と血小板多血漿を接触させ、かつ血漿中に蛍光色素を入れて励起光を照射すると、照射領域にのみ血小板が粘着・凝集してくる現象が新たに見つかった。これは、培養内皮細胞を用いた血小板血栓モデルとして利用可能であると考えられた。
4.培養内皮細胞にせん断応力を加えながら物質透過性を調べる装置については、現在改良を加えながらさらに検討中である。静置培養系での透過性の実験は比較的容易であるが、せん断応力を負荷すると、その実験は極端に難しくなる。トレ-サとしては、蛍光物質をラベルしたデキストラン及びアルブミンを使用する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 佐藤正明: "血管内皮細胞とレオロジ-" 日本バイオレオロジ-学会誌.

  • [文献書誌] 佐藤正明: "ずり応力に対する培養内皮細胞の反応" 脈管学.

  • [文献書誌] M.Sato: "An in vitro platelet thrombus model produced on cultured endothelial cells" Experientia.

  • [文献書誌] M.Sato: "Application of the micropipette technique to the measurement of cultured porcine aortic endothelial cell viscoelastic properties" Journl of Biomechanical Engineering.

  • [文献書誌] K.Ookawa: "Changes in microstructure of cultured endothelial cells in early stage after appling shear stress" Jounal of Cell Biology.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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