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1989 年度 実績報告書

動脈硬化巣における毛細血管新生破綻のメカニズムに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570474
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

下門 顕太郎  東京医科歯科大学, 医学部第三内科, 助手 (30192115)

研究分担者 土田 信夫  東京医科歯科大学, 歯学部口腔細菌学教室, 教授 (60089951)
沼野 藤夫  東京医科歯科大学, 医学部第三内科, 助教授 (40013958)
キーワード動脈硬化 / マクロファ-ジ / リンパ球 / インタ-フェロン / 血管新生 / 細胞増殖抑制 / 血管平滑筋 / 血管内皮
研究概要

動脈硬化巣にはリンパ球やマクロファ-ジが多数存在する。これらの細胞は種々のサイトカインを産生し、平滑筋増殖・血管新生・間質物質の蓄積など動脈硬化巣で見られる様々な現象に関与していると考えられている。サイトカインの作用、特に病巣内での血管新生に関与するサイトカインを研究する一環として、活性リンパ球より放出されるInterferon-α(INF-α)の血管新生作用および平滑筋に対する作用を、培養細胞を用い検討した。
(方法)細胞は、ヒト臍帯動脈内皮細胞および臍帯静脈平滑筋細胞をRoss等の方法で採取、培養した。血管新生は家兎角膜法、細胞遊走はmicrochemotaxis chamberを用いて検討した。
(結果)1.INF-αは家兎角膜内に注入することにより、血管新生を誘導した。
2.INF-αは血管内皮細胞の増殖を抑制した。内皮細胞遊走能には影響しなかった。このことよりINF-αの血管新生能は、他細胞を介する可能性が大である。
3.INF-αは血管平滑筋の増殖を抑制した。24時間以上作用させると、平滑筋の増殖抑制は、一部非可逆的となった。この抑制は“cytostatic"なもので“cytolytic"ではなかった。
4.INF-αは平滑筋の増殖のみならず、遊走やディシュへの付着をも抑制した。
(考案)以上の結果より、動脈硬化巣のTリンパ球は、INFを分泌することにより、血管新生や平滑筋増殖抑制をきたし、動脈硬化の進展を阻止する方向に働いている可能性が考えられる。生体が持っているこのような病巣進展を阻止する機構を解明することは、動脈硬化の新しい治療法の開発につながる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 下門顕太郎,沼野藤夫: "マクロファ-ジ変性LDL取り込みのautoregulation" 動脈硬化. 16. 1111-1118 (1989)

  • [文献書誌] 下門顕太郎,沼野藤夫: "病態形成とマクロファ-ジ:動脈硬化" 臨床免疫. 21. 687-693 (1989)

  • [文献書誌] Shimokado,K,Numano,F: "Inhibition of human vascular smooth muscle cells by interferon gamma" Proc.N.Y.Acad.Sci.

  • [文献書誌] Shimokado,K,Numano,F: "Interaction between arterial cells in atherogenesis" Act.Med.Biol.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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