研究課題/領域番号 |
01570504
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
中澤 博江 東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
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研究分担者 |
二木 鋭雄 東京大学, 工学部, 教授 (20011033)
一守 康史 東海大学, 医学部, 助手 (60184636)
沖野 遥 東海大学, 医学部, 教授 (60055689)
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キーワード | フリ-ラジカル / 再潅流 / ESR |
研究概要 |
再潅流障害の起因物質として酸素由来のラジカルが注目されている。しかし、ラジカルは著しく寿命が短いために化学的に捕捉する事が極めて困難である。本研究の目的は心臓そのものからの再潅流時のラジカル発生を直接測定することである。 方法: 1)ESR凍結トラップ法、 2)ESRスピントラップ法、 3)化学発光法、 4)ハイドロパ-オキサイド測定法の4種を用いた。 結果: 1)ESR凍結法トラップ法:液体窒素で冷却したワ-レンバ-ガ-トングで再潅流直後に心臓をFreezeーclampしたが、この方法では酸素由来のラジカルは捉えられなっかった。 2)ESRスピントラップ法:DMPO(Dimethyl pyrroline nitroxide)を再潅流30秒前から再潅流3分後まで投与し潅流心のEffluentのESR測定を行なった。米国の研究者(Carmen M.Arroyo博士)を当研究室に召還し、技術的な問題を解決した後に再潅流10秒後のEffluentにス-パ-オキサイド(02〓)の発生を証明することが出来た。 3)化学発光法:化学発光試薬(Luciferin誘導体、MCLA)投与下に虚血・再潅流を行い心表面からの発光からラジカルを測定すした。この方法は高酸素濃度の潅流液による発光試薬の自動酸化が心筋からの発光測定を妨害する問題点を持つため心臓をupsideーdownに吊して流出液の心表面への排出を除いた。流出液の妨害除去をすれば心筋の発光を測定できることが明かとなったが、再潅流時のラジカル発生は示せなかった。 結論: ESRスピントラップ法で再潅流後の02〓発生の直接証明ができた。化学発光法は有用であるが再潅流時の02〓の検出には不十分であった。
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