研究課題/領域番号 |
01570506
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
足達 教 久留米大学, 医学部, 助教授 (30131741)
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研究分担者 |
山本 喜一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (00210526)
坂梨 俊彦 久留米大学, 医学部, 助手 (30196076)
YAMAMOTO Kiichiro Kurume Univ., School of Med., Assist. (30196076)
YAMAMOTO Kiichiro Kurume Univ., School of Med., Assist. (30196076)
YAMAMOTO Kiichiro Kurume Univ., School of Med., Assist. (30196076)
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研究期間 (年度) |
1989 – 1990
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キーワード | プロテインキナ-ゼC / 心筋肥大 / 癌遺伝子 / 特発性心筋症 / 免疫組織化学 / in situ hybridization |
研究概要 |
肥大型心筋症は『原因不明な心筋疾患』のうち心筋の不均等性異常肥大を特徴とする疾患であり、本症の原因究明を目的としこれまで多くの研究がなされてきたにもかかわらず、その本体は依然として不明である。in vivo系およびin vitro系を使った心肥大モデルによる多くの研究の蓄積から、心筋肥大過程において細胞膜から細胞内情報伝達機構、さらに核内遺伝子あるいはエネルギ-産生系に至るまで種々の異常が明らかとされてきた。しかしヒトにおいて心筋肥大を生じる特発性心筋症におけるこれらの役割については全く不明である。そこで今回の研究では、細胞内情報伝達系の一つであるプロテインキナ-ゼC(PKC)および癌遺伝子による調節機構に注目し、特発性心筋症のヒト生検試料を用い、これら調節因子の観点から免疫組織化学および分子生物学的手法を用い研究した。心筋症の心筋におけるプロテインキナ-ゼCの発現の研究では、モノクロ-ナル抗プロテインキナ-ゼC抗体を用い特発性心筋症(肥大型心筋症および拡張型心筋症)の生検心筋について免疫組織化学的検討を行ったが、その結果,肥大型心筋症においては高頻度でプロテインキナ-ゼCが発現していること、また発現強度は拡張型心筋症に比較し強いことが判明した。胸痛症候群などのコントロ-ル症例では全く発現が認められなかったことより、肥大型心筋症に認められる心筋肥大ではプロテインキナ-ゼCの役割が重要であることが判明した。一方、特発性心筋症の心筋における癌遺伝子の発現の研究では、ヒト心筋症の生検心筋について癌遺伝子プロ-ブ(cーmyc, cーfos, cーHaーras)を使ったin situ hybridizationを行なったが、心筋症で明らかに強く発現している所見は得られなかった。これが果して真に心筋症の心筋での癌遺伝子発現を否定するものか、あるいは偽陰性所見であるのか今後さらに検討する必要があると考えられた。
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