• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1989 年度 実績報告書

分子生物学的手法を用いたSSPE発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 01570509
研究機関北海道大学

研究代表者

富樫 武弘  北海道大学, 医学部, 講師 (70001930)

キーワードSSPE / 麻疹ウイルス / In situ hybridization / ビオチン法 / 巨細胞性肺炎
研究概要

SSPE剖検脳(11歳男児)のホルマリン固定パラフィン包埋切片を材料として、麻疹ウイルス核酸の局在を検索した。
プロ-ブは麻疹ウイルスNP蛋白をコ-ドする領域のcDNA(東大医科研吉川泰弘博士により供与された)にビオチン化U-TPでラベルしたものを用いた。
発色はABC-APテット(アルカリフォスファタ-ゼ、ベクタ-ラボラトリ-社)を使用し、基室/発色源としてBCIP/NBTを用いて暗室内で30ないし40分間反応させた。
この結果核内封入体を有する感染細胞の核内、とくに封入体周囲に強いシグナルの発色を認めた。同様の発色は対照として用いた巨細胞性肺炎剖検肺組織にも認めた。しかしこのシグナルは核質内に遊離しているよりも核あるいは封入体周囲の膜構造に近接して存在しているように見られた。
DNase処理によってはこれらのシグナルの発色はほとんど影響を受けず、RNase処理によってバックグラウンドレベルまで褪色した。
以上の如く、ビオチン方によるin situ hybridizationによって、長期間保存されたSSPE脳組織中の麻疹ウイルスゲノムの局在を確定することが可能となった。
ビオチン法は特殊な施設を必要とせず、プロ-ブは安定であり、迅速に結果が出る点など特に臨床研究に有用であり、今後も更らに発展するものと思われる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Takehiro Togashi,: "Common cold and influenza" Asian Medical Journal. 32-6. 340-343 (1989)

  • [文献書誌] Kunio Tashiro,: "MS-like features in patients with HTLV-1 associated myelopathy." Neurology and Neurobiology. 51. 385-392 (1989)

  • [文献書誌] 成田光生,: "ビオチン標識プロ-ブを用いたDNAハイブリダイゼ-ション法の臨床材料への応用" 日本小児科学会雑誌. 94-6. (1990)

  • [文献書誌] 成田光生,: "PCR法を用いてのHTLV-1抗体陽性者におけるプロウイルスゲノムの検索" 日本小児科学会雑誌. 94-7. (1990)

  • [文献書誌] 成田光生,: "Pdymerase Chain reaction法を用いたHTLV-1 Associated myelopathy患者髄液細胞中のHTLV-1ウイルスゲノムの検出" 小児感染免疫. 2. (1990)

URL: 

公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi