研究課題/領域番号 |
01570517
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榊原 洋一 東京大学, 医学部・小児科, 講師 (10143463)
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研究分担者 |
斉藤 真木子 東京大学, 医学部・小児科, 医員
小島 美由紀 東京大学, 医学部・小児科, 助手 (60205391)
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キーワード | 螢光異方性 / 膜流動性 / アルツハイマ-病 / Cー6グリア / シナプトソ-ム膜 |
研究概要 |
初年度に確立した、蛍光異方性(アニソトロピ-)を利用した膜の流動性測定法を用い、今年度は以下に述べるような実験を行った。 (1)脳変性疾患患者の血小板膜流動性測定とその臨床応用 すでにZubenkoらによって、人の脳変性疾患のうち最も頻度の高いアルツハイマ-病において、患者血小板の膜流動性が健常人に比べ有意に上昇していることが示されている。我々は、日本人のアルツハイマ-病患者(11名)の血小板の膜流動性測定を行い、Zubenkoら同様に膜流動性の有意の上昇を見出した。また、小児科の原因不明の脳変性疾患であるレット疾候群においても同様の検討を行った。レット疾候群では血小板膜流動性の有意の変化は認められなかったが、アルツハイマ-病においては診断の一つの補助検査として使用できると思われる. (2)ラット脳細胞の低酸素時における膜流動性変化について Cー6グリア細胞を用い、低酸素負荷時における膜流動性の変化を検討した。30分以上低酸素状態に保つと、膜流動性が低下する傾向が明らかになったが、現在さらに膜の脂肪酸組成変化を検討中である。 (3)ACTHのラット脳シナプトソ-ム膜流動性に与える影響 老化に伴い、脳シナプトソ-ム膜のコレステロ-ル含量が増加し、その結果膜流動性低下とシナプス機能の低下が起ることが報告されている。またACTHが、シナプトソ-ム膜の流動性を上昇させていることも示されている。我々は、ACTHの抗けいれん作用の機序に膜流動性が関与している可能性をさぐるため,ラットにACTHを2週間投与し、脳シナプトソ-ムの膜流動性変化を検討している。
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