研究概要 |
1.研究目的:Y染色体特異DNA pYー80を用いて臨床応用を試みた。 2.研究結果:平成元年度に単離したpYー80を用いて性別の決定及び起源不明の染色体断片の同定を行った。 (1)性別の決定:羊水、毛根、口腔うがい液、乾燥濾紙血液、尿上皮細胞からDNAを抽出しpYー80のPstIーEcoRI断片(0.7Kb)をはさむ20merのoligonucleotidesをプライマ-としてpolymerase chain reaction (PCR)を行い、pYー80のY特異性を証明した。この結果、pYー80は上記細胞を用いた性別判定に有用であることが判明した。 (2)起源不明の染色体断片の同定:仮性半陰陽を呈し、起源不明のマ-カ-染色体を有する二人の女児例45,X/46,X, ^+marと45,X/46,X, ^+r(?)/46,X, ^+dic,r(?)でPCR法を用いてその起源がY染色体であることを証明した。同時にpYー80を用いたin situ hybridization法でもマ-カ-染色体はY染色体であることを証明した。 3.今後の研究の展開に関する計画:pYー80を用いて種々の臨床例について分析を行う。
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