研究課題/領域番号 |
01570539
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 千明 九州大学, 医学部, 助手 (30190763)
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研究分担者 |
楠原 浩一 九州大学, 医学部, 医員
岡田 賢司 九州大学, 医学部, 医員
植田 浩司 九州大学, 医学部, 教授 (00038647)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6型 / 突発性発疹 / 母子感染 / 再活性化 / 再感染 |
研究概要 |
血清学的にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)の感染が証明された突発性発疹47例の罹患時期は、6カ月をピ-クとしその前後3カ月に集中しており、すでに報告した母体由来のHHV-6抗体の消失時期(J Infect Dis,159;750-752)に一致していた(小児科、31;105-111)。また、母子の追跡調査中に見い出した突発性発疹早期罹患例3例は、いずれもHHV-6抗体陽転が証明されたが、その母親は全てHHV-6抗体陽性であった。これらの結果より、乳児は、母体由来の移行抗体の消失により突発性発疹を発症するものと考えられた。これがHHV-6の水平感染によるものか、移行抗体の消失に先行する垂直感染によるものかを明らかにするために、HHV-6抗体陰性の母親から出生した児の追跡調査を継続中である。栄養法との関連については、上記の47例において、栄養法による突発性発疹罹患時期の差異はみられなかった。 免疫不全状態におけるHHV-6の病原性を検討するための基礎デ-タとして、HHV-6においても他のヘルペスウイルス同様、再活性化や再感染がみられるかを検討した。その結果、突発性発疹再罹患例の23例中3例、および無熱性発疹症の既往のある突発性発疹患児5例中2例で、ペア血清でのHHV-6抗体価の有意上昇がみられた。この結果より、本ウイルスでも再活性化または再感染がおこり得ることが示唆された(Amer J Dis Child、投稿中)。
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