研究課題/領域番号 |
01570539
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
宮崎 千明 九州大学, 医学部, 助手 (30190763)
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研究分担者 |
岡田 賢司 九州大学, 医学部, 助手 (80224012)
植田 浩司 九州大学, 医学部, 教授 (00038647)
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キーワード | ヒトヘルペスウイルス6型 / 突発性発疹 / 母子感染 / 水平感染 / 再活性化 / 再感染 |
研究概要 |
HHVー6の小児への感染様式を解明する手がかりを得るために、大分県のA孤児院の乳幼児および学童81名のHHVー6抗体を測定した。このうち生後3カ月未満で入所した者は25名(年齢3カ月〜18歳)であったが、1歳以上の21名は全て抗体陽性であり、残る4名(3〜5カ月の乳児)は抗体陰性であった。既に報告したように、生後3〜5カ月は母親由来のHHVー6抗体の消失時期と突発性発疹の好発時期に挟まれたHHVー6抗体陽性率の最も低い時期にあたるので(J Infect Dis,159;750ー752)、この4名の乳児の抗体陰性は生理的なものであると言える。一方、抗体陽性の21名は母親との密接な接触がないまま3〜5カ月以降にHHVー6に感染したものと考えられる。この成績は、母親との密接な接触がなくても小児がHHVー6に感染しうること、したがって出生後の母子感染はHHVー6の主要感染経路ではないことを示唆している。 小児のHHVー6抗体の長期的な推移を検討するために、3〜18歳の15年間にわたって断続的に採取された血清が保存されていた7名の子どもとその母親のHHVー6抗体を測定した。HHVー6抗体は全員陽性であった。子どものHHVー6抗体価は、同一個人では採血の年齢にかかわらず一定で、時間の経過による抗体価の変動はなかった。成人では加齢とともにHHVー6抗体価が低下することが報告されているが、小児ではこのように一定の抗体価が維持されていた。
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