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1989 年度 実績報告書

ロタウイルス胃腸炎の予防法に関するウイルス学的ならびに免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 01570540
研究機関札幌医科大学

研究代表者

中田 修二  札幌医科大学, 医学部, 助手 (70155745)

研究分担者 宇加江 進  札幌医科大学, 医学部, 助手
キーワードロタウイルス胃腸炎 / RRVワクチン / ブ-スタ-接種 / 血清中和抗体反応 / 交差免疫 / 発症防御 / 血清型疫学 / 分子疫学
研究概要

北海道立中央乳児院においてRRVワクチンを3ヵ月または6ヵ月間隔で2回投与し、RRVおよびヒトロタウイルス1-4型株に対する血清中和抗体価を測定し、以下の知見を得た。初回接種後6ヵ月まで、RRVに対しては比較的高い抗体価を維持した。従って、ブ-スタ-接種後に有意の抗体上昇を示したものは少数であったが、その後も高い抗体価が維持された。また、再接種により初回接種時に無反応であった児も含めて、全例がRRVに対して有意の抗体反応を示した。ヒトロタウイルス株についてみると、初回接種時に1型、3型に対しては比較的高率に随伴上昇を認めたが、2型、4型に対しては低率であり、3型を除くとその後のブ-スタ-接種によってもその効果は殆ど認められなかった。この間、ロタウイルス野生株による流行はなく、実際の臨床効果についての検討は行えなかったが、その防御効果を血清中和抗体反応で予測すると、3型の発症防御に対しては十分と考えられた。しかし、他の血清型についてはブ-スタ-接種によっても不十分であり、本ワクチン株のみではすべての血清型のロタウイルスによる下痢症の発症防御は出来ないことが示唆された。
1987年度から1989年度までの3冬季間にわたり、札幌市におけるヒトロタウイルス各血清型の推移を検討すると、1987年度は1型が主体で4型と2型が続き、1988年度は従来少ないとされてきた2型が7割を占め1989年度には再び1型が大部分を占めるなど、年度により主要流行株の血清型に変動が認められた。各検体についてSDS-PAGF法による検討を行うと、各年度毎に多数の核酸パタ-ンがみられるが年度を越えて同一RNAパタ-ンを示す株は存在せず、ロタウイルスの変異が頻繁に起こっていることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 浦沢正三: "本邦7地域における下痢症患者便中ヒトロタウイルスの血清型別試験成績" 臨床とウイルス. 17. 132-136 (1989)

  • [文献書誌] 足立憲昭: "サル由来ロタウイルスワクチンMMU-18006株の伝播性および免疫原性に関する研究" 医学のあゆみ. 151. 67-68 (1989)

  • [文献書誌] 足立憲昭: "ロタウイルスワクチンMMU-18006株の伝播性、免疫原性ならびにブ-スタ-接種効果に関する検討" 臨床とウイルス. (1990)

  • [文献書誌] Urasawa,S.: "Survey of human rotavirus serotypes in different locales in Japan by ELISA with monoclonal antibodies" J.infect.Dis.160. 44-51 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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