研究課題/領域番号 |
01570549
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 助教授 (70096212)
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研究分担者 |
矢部 普正 東海大学, 医学部, 助手 (70220217)
矢部 みはる 東海大学, 医学部, 講師 (40172514)
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キーワード | 同種骨髄移植 / GVHD / アロ反応性T細胞除去 / ガラクト-スオキシダ-ゼ |
研究概要 |
マウスの系で確立したアロ反応性Tリンパ球除去法をヒトの系に応用するため、まずマウスとヒトリンパ球の過酸化水素に対する安定性の比較検討を行った。それぞれのリンパ球を1x10^7/mLに調整し、種々の濃度の過酸化水素を加えて幼若化反応を検討したところ、マウスリンパ球は0.075%の過酸化水素でPHAに対する幼若化反応が低下したのに対して、ヒトリンパ球では0.03%の過酸化水素でもspontaneousな^3Hの取り込みや、PHAに対する幼若化反応は変化しなかった。またヒトリンパ球をビオチン化し、アビジンを介してガラクト-スオキシダ-ゼを標識してガラクト-ス、ヨウ化ナトリウムを添加してトリパンブル-によって死細胞をカウントした場合にも、充分な細胞障害性は発揮されなかった。以上からこれまでの方法で直接ヒトリンパ球の処理を行うのは不可能と考えられ、現在まで種々の方法でガラクト-スオキシダ-ゼの活性の強化に努めたが、充分な結果は得られていない。 ヒトの同種骨髄移植後のGVHD発症例でGVHDの免疫担当細胞を検討し、本方法でアロ反応性T細胞除去を行った後の残存Tリンパ球と比較して、GVHDのeffector cellを明らかにする試みでは、ヒトの慢性GVHD発症例においてCD8+CD11+、CD8+CD11ー、CD8+Leu7+の各細胞群が臨床症状に平行して増減しているのが判明したものの、ヒトリンパ球のin vitroでのアロ反応性Tリンパ球除去が充分に行えず、いかなる細胞群がGVHD発症の主役をなしているのかについては結論が得られなかった。
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