研究概要 |
私達の研究により次の如くインドメサシンとベ-タ-メサゾン併用の相乗的な動脈管収縮作用が証明され,新しい治療方法としての基礎が確立された。 まず満期のラット胎仔動脈管を用いた実験により,インドメサシンとベ-タ-メサゾンそれぞれ単独投与に比べて,併用では相乗効果が現れ,非常に強い収縮が生じた。即ちインドメサシン1mg/kgでは動脈管内径は60%,ベ-タ-メサゾン1mg/kgでは内径は80%に収縮し,その併用では内径は20%に高度の収縮が生じた。併用するベ-タ-メサゾンの投与量は1mg/kgで最大効果となった。親ラットに投与して胎仔の動脈管収縮の効果は,成熟胎仔では,投与後4時間乃至8時間,未熟胎仔では投与後4時間で最大になった。 ベ-タ-メサゾン投与とインドメサシン投与のタイミングを調べると,インドメサシンとベ-タ-メサゾンを同時に投与した場合に効果が最大であり,ベ-タ-メサゾンを8時間前,24時間前に投与しても,同時投与より効果が少なかった。 スリンダクとベ-タ-メサゾンの併用でも単独の場合より動脈管収縮効果が大きく,相乗効果があった。これは成熟胎仔でも未熟胎仔でも認められた。 以上の実験により,インドメサシン又はスリンダクとベ-タ-メサゾンとの併用は非常に強い動脈管収縮作用があり,相乗効果が認められた。
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