好中球及びマクロファ-ジに於ける活性酸素生成機構の解析

1989 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 01570556
• 研究機関: 国立小児病院
• 研究代表者: 綱脇 祥子 国立小児病院, 小児医療研究センター・炎症, 研究員 (00211384)
• 研究分担者: 柿沼 カツ子 東京都臨床医学総合研究所, 炎症, 室長 (30109946) ; 倉辻 忠俊 国立小児医療研究センター, 炎症, 室長 (60051728)
• キーワード: affinity label / GTP@GDP / NADPH / NADPH analogue / 活性酸素 / 慢性肉芽腫症

研究概要

1、NADPH結合タンパク質の同定
現在、p1 5.0の位置にO_2^-生成活性を見いだしているが、完全には精製されたいない。そこで、基質であるNADPHのアナログ([^<32>P]2'、3'ーdialdehyde NADPH)を[rー^<32>P]ーATPとNAD^+から合成した。Scff's base形成後、SDSーPAGE、autoradiographyを行い、分子量の同定を行いつつある。
2、GTP/GDPによるNADPH oxidase制御の可能性
GTP/GDP存在下、前記の[^<32>P]2'、3'ーdialdehyde NADPHによるaffinity labelを行うと23k付近のbandへの結合が増強されていた。
3、近年、活性酸素生成に関与している各種構成成分の分子構造が決定された。そこで、これら分子に対するpolypeptideを合成した。現在、これらの分子に対する抗体を調整中である。これらの抗体を用いて、活性酸素生成機構の解析、及び、遺伝的に生成能を欠く慢性肉芽腫症の分類に用いる。

研究成果

• [文献書誌] Tsunawaki,S.Sporn,M.Nathan,C.F.: "Comparison of transforming growth factorーβ and a macrophageーdeactivating polyーpeptide from tumor cells:differences in antigenicity and mechanism of action." J.lmmunol.142. 3462-3468 (1989)
• [文献書誌] 綱脇祥子、柿沼カツ子、倉辻忠俊: "マクロファ-ジ活性酸素生成能:Transforming growth factorーβ による抑制" 炎症. 9. 303-308 (1989)
• [文献書誌] 綱脇祥子、倉辻忠俊: "好中球活性酸素産生機序" ファルマシア.
• [文献書誌] 倉辻忠俊、綱脇祥子、清水俊一、高木國壽、小島正: "乳酸桿菌LC9018の生体防御機能の賦活作用2.in vitroにおけるヒト顆粒球機能賦活作用" バイオセラピ-. 3. 1586-1591 (1989)
• [文献書誌] 倉辻忠俊、綱脇祥子、四富範明、小島正、高橋英介: "乳酸桿菌LC9018の生体防御機能の賦活作用3.顆粒菌を介するLC9018の抗腫瘍作用" バイオセラピ-. 3. 1592-1597 (1989)
• [文献書誌] Kuratsuji,T.,Tsunawaki,S.,Takeda,T.,Kobayashi,N.,Shimizu,S.,and Takagi,K.: "Kawasaki disease:Proceedings of the third International Kawasaki Disease Symposium" Alan R.Liss,Inc.,New York, 120-122 (1989)
• [文献書誌] 倉辻忠俊、綱脇祥子: "新生化学実験講座、第12巻分子免疫学位I," 東京化学同人(東京), 218-222 (1989)