研究概要 |
成果:正常ヒト表皮細胞を培養し、その培養上清中に単球/マクロファジ系の細胞で産生される因子と類似の白血球走化性因子を産生しているかを検討した。 正常ヒト表皮細胞の主として対数増殖に走化性活性の産生を認めた。この濾液高速ゲル濾過カラムを用い分析したところ、分子量約15,000の位置に白血球走化性活性のピ-クを認めた。活性は希釈倍数に依存し減少していた。活性は主としてchemotactic activityであったが、弱いながらもchemokinetic activityも認めた。60℃、10分、100℃、10分加熱および凍結、融解を繰り返しても、活性は安定であった。トリプシン処理により大部分の活性が失われた。zymosan活性化血清からゲル濾過クロマトグラフィ-により得たC5a/C5a des Argを含むフラクションと混合したところ、相乗効果を認めた。抗lL-l抗体を加えても白血球走化性活性の抑制は認められなかった。培養表皮細胞に種々の物質を作用させ、培養濾液の活性を調べたとこと、lL-lα-βで走化性活性の著名な増加が認められた。 補助金の使用:設備備品として購入してポリトロンは、組織の破砕に活用した。ピリンタ-は、酵素免疫測定法の際の記録に用いた。消耗品は主として細胞の培養に必要な物品の購入に用いた。旅費は、研究の成果発表のための学会参加および研究成果の討論の際の旅行費用に当てた。
|