研究課題/領域番号 |
01570564
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮地 良樹 京都大学, 医学部, 講師 (30127146)
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研究分担者 |
吉岡 晃 京都大学, 医学部, 助手 (50183695)
立花 隆夫 京都大学, 医学部, 助手 (40179718)
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キーワード | 活性酸素 / 虚血ー再灌流 / 皮弁モデル / SOD / アロプリノ-ル / Eー64ーC |
研究概要 |
虚血ー再灌流によって生じる活性酸素が各種虚血疾患や臓器移植の組織傷害に重要な働きをすることが最近判明してきたが、われわれはこの活性酸素を減少させる方法を見い出すことにより治療に役立てようと考えた。その手段として、簡便かつ客観的に定量化できる利点を有する皮弁モデルを用いた。キサンチンオキシダ-ゼの生成に関与するカルシウムプロテア-ゼのインヒビタ-(Eー64)や発生したス-パ-オキシドを除去するヒト由来遺伝子組み換えSODをリポゾ-ム化したLーSODを用い、遊離皮弁や有茎皮弁の血管結紮による虚血ー再灌流モデルでの効果をみた。これにより、虚血ー再灌流による活性酸素、二次的に発生する心筋梗塞や臓器移植にも応用しうる薬剤の薬理学的スクリ-ニングを可能にすることができるかを検討した。 今回の実験結果で、E64c投与により島状皮弁の虚血ー再灌流後の血管内皮障害が軽減され、壊死が救済されたことから、皮膚の虚血ー再灌流障害メカニズムにおけるxanthine oxidase系によるO_2^ー産生の意義および同系におけるカルパインの関与が裏付けられた。 アロプリノ-ルは従来の報告と同様、島状皮弁の虚血ー再灌流障害の予防効果が認められた。 一方、LーSODについては、従来のSOD投与の報告と異なり、投与効果が芳しくなったが、従来の報告例と異なり皮弁内に直接灌流させず静注を行なったため、局所での必要量が不足したのが原因かも知れない。 有茎皮弁の壊死にも活性酸素の関与が裏づけられるものの、虚血ー再灌流メカニズムの占める意義は少なく炎症や血腫による活性酸素産生などが複雑に絡み合っているものと思われる。またSOD外用剤の投与効果が認められたことは、本剤の臨床応用に期待がもたれる。
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