研究課題/領域番号 |
01570567
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山本 俊比古 山口大学, 医学部, 助手 (40182638)
|
研究分担者 |
高田 一郎 山口大学, 医学部, 助手 (40216651)
中野 純二 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (40198156)
|
キーワード | glycolipid / esterocerebroside / O-acylglucosylceramide / linoleic acid / W-hydroxy fatlyacid |
研究概要 |
超低温フリ-ザ-(サンヨ-超低温フリ-ザ-MDF291)を購入し(平成元年度科学研究費)、この中に保存していたヒト皮膚より表皮を分離採取、採取した表皮より粗脂質を抽出し、さらにDEAE-Sephadex column chromatography,Silicagel column chromatographyにより糖脂質分画を分離精製した。精製した糖脂質は研究期間中、超低温フリ-ザ-に保管した。HPLCを用い糖脂質よりその主成分であるAcylglucosylceramideすなわちEpidermosideを分離精製した。EpidermosideのNMRスペクトルを測定し、構成糖の種類、アノメリック炭素の同定、エステル結合脂肪酸の位置の決定を行なった。EpidermosideのFAB-MASSを測定しその分子量を決定した。NMRスペクトルおよびFAB-MASSの測定に際しては東京都臨床医学研究室設置の機器を使用した。Epidermosideを化学的に構成糖、脂肪酸、スフィンゴシンに分離し、キャピラリ-カラムを用いたGLCおよびGC-MSによりそれぞれの定性的、定量的分析を行なった。 その結果、Epidermosideは1分子のグルコ-ス、1分子のスフィンゴシン、1分子の酸アミド結合脂肪酸、1分子のエステル結合脂肪酸で構成されるacylglucosylceramideであり、エステル結合脂肪酸はリノ-ル酸のみであること、その結合部位はセラシド末端であることがわかった。 この特異的な構造を有するエステル型糖脂質はこれまでに他の臓器では見つかっておらず、その表皮における物理化学的および生理学的性質の検討が今後の課題である。
|