研究課題/領域番号 |
01570579
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
肥田野 信 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00075178)
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研究分担者 |
石黒 直子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30198519)
鳥飼 抄順 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90200550)
桧垣 祐子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (80189745)
上村 知子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (10203481)
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キーワード | 皮膚筋炎 / 予後 / 死因 / 間質性肺炎 / 悪性腫瘍 |
研究概要 |
平成元年度に調査の方法、内容、形式などについて具体的な検討をするとともに、全国の大学、および主幹病院皮膚科に予備調査のはがきを送った。それに対し、179機関から返答があり、皮膚筋炎の診断をしたという機関に対して調査用紙を送った。平成2年度には、この調査用紙について詳しく検討した。送られてきた調査用紙には238例あったが、診断基準によって検討し、そのうち182例を確定診断、またほぼ確実な例と診断した。以下この182例について詳細に検討した。小児対成人は1対11.5であったが小児例には死亡したものはなかった。成人例の26.7%が死亡した。発病年令は、40才から59才の間にピ-クがあった。 成人における死因は悪性腫瘍(16例)、間質性肺炎(13例)、その他の肺炎(4例)、心疾患(3例)、自殺(1例)、腎不全(1例)、腸出血(1例)、脳血管障害(1例)であった。合併した悪性腫瘍は、胃癌、肺癌、乳癌等でほとんどが癌腫であったのに対し、悪性リンパ腫は1例のみであった。悪性腫瘍による死亡率は、34.0%であった。 間質性肺炎は30才以後の31例に合併し、そのうち13例が呼吸不全で死亡した。その大部分は皮膚筋炎の診断の後、6ケ月以内に死亡した。臨床症状を比較してみると、悪性腫瘍群では爪囲紅斑と掻痒のある例が多く、間質性肺炎群ではレイノ-現象、筋痛、関筋痛が多かった。また、検査所見では間質性肺炎群で血清アルドラ-ゼの上昇している例が多かった。 以上の所見から、皮膚筋炎の生命予後に関する因子をある程度把握することができた。
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